薬剤師の接遇マナー・テクニック 公開日:2015.10.07更新日:2023.03.23 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー

同僚の薬剤師への苦情を受けたとき
同僚の薬剤師への苦情を受けたとき

患者さんに対し、威圧的なものの言い方をする同僚薬剤師がいます。彼はこれまでも何度か、上司から注意されているようです。先日患者さんからその同僚について「Bさんはいいのだけれど、あの薬剤師さんは恐いので、私の担当にはさせないでほしい」と言われてしまいました。その場は私が謝罪して収め、上司にも報告しましたが、この対応でよかったのでしょうか。

Answer
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まずは薬局の代表として謝罪を

たとえ自分のミスでなくても、クレームを受けたら薬局全体のミスとして受けとめ、謝罪する。とてもいい対応だったと思います。その際は、患者さんの不愉快な思いを受けとめる必要があるので、真摯な態度でしっかりと話を聞きます。同時に、状況を正しく把握するという意味でも詳しく話を聞く必要があります。最後は「他にご要望があれば、いつでもお申しつけください」と一言添えるといいでしょう。
 
このケースでは「あの薬剤師さんを私の担当にしないでほしい」とはっきり言われているので、対応策のひとつとしてスタッフ間で情報共有をし、薬歴などにクレームを言われた薬剤師が対応に出ることがないよう注意書きをしておくとよいでしょう。スタッフの人数などの関係もあるため、必ずしもこの方法がベストではないかもしれません。しかしせっかく誠意を尽くして謝罪しても、再び同じ薬剤師が対応に出てしまうと「私の言うことを聞いてくれなかった」と、新たなクレームにつながってしまうので注意が必要です。

上司への報告は速やかに

また、上司への報告は迅速に行いましょう。上司や同僚との素早い情報共有はクレーム応対の基本です。言いにくい気持ちもあるかもしれませんが、正しい改善策を図るためにも上司への報告は不可欠です。患者さんからヒアリングした状況を詳しく説明し、自分の意見をはさまず事象だけを伝えます。患者さんから詳しく状況を聞いておけば、本当に接遇態度が悪かったのか、それとも行き違いや、やむを得ない事情で起こってしまったクレームなのか、上司の方も正しい判断がしやすいと思います。
 
日々の仕事に流されると忘れがちになってしまいますが、患者さんと接している薬剤師一人ひとりの対応が薬局全体のイメージにつながります。それを肝に銘じて薬局内で情報を共有し、同僚薬剤師の接遇への取り組みも含めて全員で改善策を考える必要があるでしょう。
クレームは対応した人が代表として謝罪を。その後、上司に報告して薬局全体で情報を共有しましょう。
クレームは対応した人が代表として謝罪を。その後、上司に報告して薬局全体で情報を共有しましょう。

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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