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公開日:2017.08.08更新日:2020.03.05 美容&健康トレンド

薬剤師兼美容家として活動する花田真理さんが、「薬剤師として知っておきたい美容の知識」「手軽にできるヘアアレンジ」など、“薬剤師と美容”をテーマに語るコラムです。

vol.34 薬剤師が抑えておきたい美容キーワード! 糖化の知識

前回美容キーワードとして「酸化」についてご紹介しましたが、酸化と共に注目されるキーワードに「糖化」があります。
糖化の進行は健康や美容に悪影響を及ぼす要因として医療業界でも注目されています。
美容面ではアンチエイジングに関わるため興味を示す方が多いです。
今回は「糖化」の知識についてご紹介します。

糖化とは

糖化は、タンパク質と摂りすぎてしまった余分な糖が結びつき、タンパク質が変性・劣化して「AGEs(Advanced Glycation Endroucts:糖化最終生成物)」を生成することをいいます。糖化はメイラード反応とも呼ばれます。
生成されたAGEsは体内に蓄積され、増加すると、血管、骨、臓器、肌などを老化させ、動脈硬化など様々な疾患の誘発につながります。
また、分解されにくいため糖化は予防が大切といわれています。
身近な例を挙げると、ホットケーキの茶色い焦げた部分やカラメル、醤油などに糖化が関わっています。

美容面への影響

糖化が進行すると美容面へも影響が出ます。
具体的には下記のようなことが挙げられます。

1.黄くすみ

糖化したタンパク質の色は褐色です。
そのためお肌に蓄積されると透明感が失われ、くすみの原因となることがあり、黄色っぽく見えることから「黄くすみ」と呼ばれています。

2.肌のハリ・たるみ・しわ

肌の真皮層はコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質で構成されています。
コラーゲンやエラスチンが糖化することでタンパク質が架橋構造を形成し線維が硬くなるため肌のハリが失われ、たるみやしわの原因となります。

3.シミ

AGEsは一度作られると分解されにくいため、肌の新陳代謝を悪くします。
表皮に糖化タンパク質がたまるとターンオーバーが遅くなり、メラニンが排出されずにシミの原因となります。
また、糖化した表皮角化細胞ではメラニンの生成を引き起こすサイトカイン(エンドセリン、COX-2、IL-1α)が増加することが確認されているため、シミの発生に関与するといわれています。

4.髪質・抜け毛

真皮層は頭皮にも存在します。
コラーゲンやエラスチンが糖化することで真皮層が硬くなるため、毛包や血管などに悪影響をもたらします。
髪のハリや艶が失われたり、髪の成長を妨げることになります。

糖化を防ぐ方法は?

このように糖化は美容面においても大きな影響を与えるため注目されています。
化粧品にはセイヨウオオバコ種子エキスなど抗糖化(糖化を防ぐ)成分が配合された商品も増えてきましたし、食品だとローマンカモミールティー、ドクダミ茶などが抗糖化に良いと言われています。
糖の取りすぎを避け、糖化を予防することはアンチエイジングを行う上で大切なので患者さんやお客さんに伝えられるように抑えておくと良いと思います。

花田 真理(はなだ まり)

大学卒業後、調剤薬局に勤務、その後化粧品業界へ転職し、薬事・商品研究開発・総括製造販売責任者等の業務に携わる。現在は、自身のブランド(化粧品「MarryMemory」、ハーブティー「Doctor&Pharma」)を立ち上げ、薬剤師兼美容家として活動中。

Doctor&Pharma:http://www.doctor-and-pharma.co.jp/

花田 真理(はなだ まり)

大学卒業後、調剤薬局に勤務、その後化粧品業界へ転職し、薬事・商品研究開発・総括製造販売責任者等の業務に携わる。現在は、自身のブランド(化粧品「MarryMemory」、ハーブティー「Doctor&Pharma」)を立ち上げ、薬剤師兼美容家として活動中。

Doctor&Pharma:http://www.doctor-and-pharma.co.jp/

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