電子版お薬手帳で指針案~電子処方箋の運用に対応
厚生労働省は1日、「電子版お薬手帳ガイドライン」案を公表した。電子版お薬手帳サービスが備えておくべき機能として、利用者が秘匿したい情報を指定できることなどを示したほか、将来的には地域医療連携ネットワークとの連携を可能とする機能なども求めた。14日まで意見募集を行い、今月末にガイドライン発出を予定する。
ガイドライン案は、電子版お薬手帳サービスの運営事業者等に向け、対応が必要と考えられる事項を示したもの。運用上の留意点については既に通知で示してきたが、電子処方箋の運用開始等により電子版お薬手帳に求められる役割も変化していることを踏まえ、開発、運営、活用において参考にしてもらう狙いだ。
運営事業者等が留意すべき事項として、個人情報保護の徹底など情報セキュリティに注力すること、事業に参入する際には中長期的なサービスの提供を前提とするなど安定的なサービスの提供などを求めた。
電子版お薬手帳サービスとして最低限実施すべき機能も記載した。マイナポータルから提供される薬剤情報等を取り込めること、利用者の電子版お薬手帳の画面に、現在使用している医療用医薬品の処方記録、OTC医薬品の服薬記録を表示し、一覧できることも必須とした。
また、有効成分、医療用、要指導、OTCの特徴、効能・効果、用法・用量の情報表示、利用者が秘匿したい情報を指定可能な機能なども求めた。
一方、将来的に備えていることが望ましい機能として、健康食品を含めた相互作用に関するアラート機能、医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)等の情報提供サービスとの連携機能、地域医療連携ネットワークとの連携を可能とすること、副作用等について利用者や薬局・医療機関が報告可能な機能なども求めた。
服薬方法によっては重篤な問題を引き起こす恐れのある医薬品について服薬方法をプッシュ通知等で利用者に通知する機能、地域医療連携ネットワークとの連携を可能とする機能なども求めた。
電子版お薬手帳の提供施設に対しも情報セキュリティの確保を求めたほか、薬剤師等が電子版お薬手帳について利用者に説明すること、利用者が一つのサービスを利用するよう促すことなども必要とした。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
電子版お薬手帳サービスの運営事業者等に向け、対応が必要と考えられる事項が示されている「電子版お薬手帳ガイドライン」案が厚労省より公表されました(3月1日)。備えておくべき機能として、利用者が秘匿したい情報を指定できることなどを示したほか、将来的には地域医療連携ネットワークとの連携を可能とする機能なども求めています。3月14日まで意見募集を行い、今月末にガイドライン発出を予定しています。