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第108回薬剤師国試、合格率は69%~合格ラインの水準高く

2024年「第109回薬剤師国家試験」については、マイナビ薬剤師の国家試験概要ページで詳しい情報を紹介しています!

薬+読 編集部からのコメント

第108回薬剤師国家試験の結果が厚労省より発表されました(3月22日)。総受験者数1万3915人のうち、合格者は9602人と前回より5人少ないだけで、ほぼ変化なし。合格率は69.00%と0.98ポイント増。合格ラインは前回より36点高く、近年では最も高い水準となる470点となっています。また全員が正解扱いとなる補正対象問題はありませんでした。

厚生労働省は22日、第108回薬剤師国家試験の結果を発表した。受験者数1万3915人のうち、合格者は前回より5人少ない9602人とほぼ変わらなかった。合格率は0.98ポイント増の69.00%、合格ラインは前回より36点高く、近年では最も高い水準となる470点となった。全員が正解扱いとなる補正対象問題はなかった。厚労省は「合格ラインは大きく上昇したが難易度を下げた意図はなく、問題としては適正だったと考えている」としている。

 

厚労省は、平均点と標準偏差を用いて合格者を決定する相対基準を導入した第106回の国家試験以降、合格者数を9600人程度に設定している。その結果、合格ラインが470点まで上昇した。

 

6年制新卒者の合格者は7254人で合格率は84.86%、6年制既卒者は2267人で44.05%だった。新卒者は前回の85.24%から0.38ポイント下がった一方、既卒者は3.4ポイント上昇した。

 

合格率を男女別に見ると、男性が66.20%、女性が70.76%だった。また、大学の設置主体別の合格者数は、国立が502人(合格率82.57%)で、そのうち6年制新卒が426人(90.45%)、6年制既卒が34人(53.13%)、その他(旧4年制卒、受験資格認定者)が42人(57.53%)だった。

 

公立は265人(84.94%)で、そのうち6年制新卒が228人(91.20%)、6年制既卒が21人(55.26%)、その他が16人(66.67%)だった。

 

私立は8835人(67.99%)で、6年制新卒は6600人(84.32%)、6年制既卒が2212人(43.85%)、その他が23人(18.55%)だった。

 

大学別に合格率を見ると、90%を超えたのは3校で前年から2校減り、50%を下回ったのは11校と2校減少した。合格率が最も高かったのは名城大学の93.84%で、千葉大学の91.30%、昭和大学の91.15%と続いた。新卒の合格率100%は東北大学の1校だった。

 

ただ、新卒の合格率が高い大学の中には、2017年度入学者数に対する合格者数の比率を示すストレート合格率が低い大学も一部あると見られ、実態との乖離が生じている。1万5334人の出願者数に対し、受験者数は1万3915人。何らかの理由で受験しなかった人は1419人と前年から66人減少した。

 

一方、合格者数が少なかったのは島根県の34人、福井県の38人、鳥取県の40人、富山県の43人。人口10万人当たりの薬局・医療施設に従事する薬剤師数が全国最下位の沖縄県は67人から83人に増えた。

 

基礎科目は4年次までに理解させ、国試では実務に即した思考力を判定する問題を充実させるなど、共用試験のCBTやOSCEを含め国試の変革が提言されている。

 

医薬・生活衛生局総務課の太田美紀薬事企画官は「調整はこれから。まずは、2024年度の入学生から適用される薬学教育モデル・コア・カリキュラムに準じた試験内容を検討することが先になる」と話している。

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出典:薬事日報

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