薬剤師の継続管理評価 ~ 老健と介護医療院で推進 社会保障審議会介護給付費分科会
厚生労働省は2日の社会保障審議会介護給付費分科会に、2027年度介護報酬改定に向け、介護老人保健施設(老健)と介護医療院で薬剤師が入所時から入所中まで継続的に薬物療法を評価し、医師への処方提案などを通じて薬剤調整に取り組んだ場合に評価する対応案を示した。
24年度改定では、老健のかかりつけ医連携薬剤調整加算Iについて、ポリファーマシー解消を推進する観点から、入所前の主治医と連携して薬剤を評価・調整した場合に加え、施設内で実施した場合を評価する区分を新設。主治医と連携した場合はより高く評価する仕組みとした。
その結果、薬剤師が利用者の状態を踏まえて薬物療法を評価し、医師への処方提案や多職種との情報共有を行うことで、状態改善や薬剤費削減のほか、服薬の簡素化による看護・介護職員の負担軽減につながった事例も報告されている。
ただ、薬剤関連業務では、持参薬の確認・整理や採用薬・後発品への変更提案など入所時の業務は広く行われていたものの、ポリファーマシー対策、薬物治療内容の調整の提案など入所中や退所時の薬物療法の最適化や薬剤情報連携に関する業務は実施割合が相対的に低く、薬剤師の関与も低調だった。
そこで厚労省は、老健での薬物療法の最適化に向け、薬剤師による継続的な薬学的管理を通じた薬物療法の評価、処方提案、薬剤調整や経過確認などを評価することを提案。入所中の薬物療法の見直し内容や変更理由、その後の経過などを退所後に引き継ぐ取り組みや多剤服用の適正化についても評価するため、かかりつけ医連携薬剤調整加算を見直す方向性を示した。
また、介護医療院では「薬剤管理指導」で薬剤師による服薬指導や効果・副作用の確認を評価しているほか、「薬剤管理指導注2」で服薬情報などを科学的介護情報システム(LIFE)に提出し、活用した場合を評価している。
厚労省は、新たに薬剤師が入所時から継続的に薬物療法を評価し、処方提案や薬剤調整、経過確認に取り組んだ場合を評価するよう提案した。
山田武志委員(日本薬剤師会常務理事)は、入所時の取り組みは比較的広く実施される一方、入所中の薬物療法の最適化に向けた取り組みは相対的に低いと指摘。「入所中の状態変化も踏まえながら継続的に薬物療法に関与することが一層重要になる。安全で効果的な薬物療法の実現に加え、介護職員の服薬支援の負担を軽減し、ケアの質向上を支える重要な取り組みになる」と述べ、薬剤師を評価する方向性に賛同した。
出典:薬事日報


薬+読 編集部からのコメント
厚生労働省は2027年度介護報酬改定に向け、老健と介護医療院で薬剤師が入所時から入所中まで継続的に薬物療法を評価し、医師への処方提案などを通じて薬剤調整に取り組んだ場合に評価する対応案を社会保障審議会介護給付費分科会に示しました。