医療

薬局・卸経営支援で新制度 ~ 生活支えるサービス維持へ 経済産業省

薬+読 編集部からのコメント

経済産業省が、人口減少や人手不足が進む地域で生活に不可欠なサービスの維持を支援する「認定エッセンシャルサービス制度」を2026年12月下旬から開始。対象業種には医薬品・化粧品小売業が含まれ、薬局も対象となります。

経済産業省は、人口減少や人手不足が進む地域で生活に不可欠なサービスの維持を支援する「認定エッセンシャルサービス制度」を12月下旬から開始する。対象業種には医薬品・化粧品小売業が含まれ、薬局も対象となる。DXや共同調達、他業種との連携などによる経営効率化に向けた事業計画が認定されれば、低利融資や信用保証の特例措置などを利用できる。地域の医薬品アクセスを支える薬局の経営を支援する制度として注目されそうだ。

 


 

同制度は、改正産業競争力強化法に基づく「生活維持物品役務需要減等事業適応計画」の認定制度。人口減少や少子高齢化によって需要が縮小する一方、サービス提供を担う人材も減少する中、地域住民の生活維持に必要なサービスを将来にわたって確保することを目的としている。

 

対象業種には医薬品・化粧品小売業のほか、医薬品・化粧品等卸売業、ドラッグストアなども含まれる。薬局について、経済産業政策局の平林孝之生活維持物品役務需要減等対策室長は「医薬品・化粧品小売業として制度の対象になる」と説明する。

 

医薬品卸についても、地域へ医薬品を届ける供給網を支える重要な役割を担うことから対象に位置づけた。

 

大手医薬品卸は本紙の取材に対し、卸がエッセンシャルサービスに位置づけられたことについて「社会的使命と責任の大きさを改めて認識するものと受け止めている。(制度の活用について)詳細や要件を確認・検討している段階」とし、業界団体などとも連携していく考えを示した。

 

認定を受けるためには、需要減少や供給不足によって生じる地域の過少供給構造に対応する5年間の事業計画を策定する必要がある。医薬品・化粧品小売業の評価では、薬局等から半径800mをアクセス可能地区の目安とし、近隣に代替となる店舗が少なく、地域住民による利用が見込まれるかなどを確認する。合わせて事業の特性や人口動態、高齢化率、地理的条件なども考慮される。

 

想定する取り組みとしては、設備導入やDX、共同調達、事務部門の共通化などによる合理化、他のサービスや収益事業と組み合わせる多角化、複数地域の事業展開や他事業者との連携による広域化などが挙げられている。

 

例えば、薬局事業単独での経営が難しい地域で、他事業との組み合わせによって事業体全体で持続性を確保する考え方が想定されている。

 

また、計画終了時に事業体全体で経常収入が経常支出を上回り、債務超過でないことが見込まれる必要があるが、対象となる薬局事業単体で黒字化する場合だけではなく、他の収益事業によって全体の経営を支えることも認める。

 

金融支援策としては、一般枠とは別に最大2億8000万円の信用保証特別枠を設けるほか、日本政策金融公庫等による融資制度では基準利率から0.9%引き下げた特別利率を適用する。計画認定のみで融資が決定するわけではなく、別途審査が必要となる。

 

経産省は制度の運用開始に向けて、全国47都道府県で事業者や地域の商工団体・金融機関、自治体等を対象としたセミナーを行っている。医薬品分野については厚生労働省と連携し、関係団体等を通じた周知を進める考えだ。

 

離島を抱える長崎県では医薬品供給や在庫管理・共有体制の整備などが課題となっている。長崎県薬剤師会は「制度がこうした地域課題の改善につながるものであれば、積極的に会員に情報提供していきたい」としている。

 

平林氏は、医薬品分野について、「地域の生活を支える重要なエッセンシャルサービスの一つ」と強調。「国と共に地域を支える観点から制度の活用を検討していただけるとありがたい」と述べ、地域医療を支える薬局による制度活用に期待を寄せた。

  • 薬剤師のための休日転職相談会
  • 薬剤師の転職・求人・募集はマイナビ薬剤師/5年連続満足度NO.1

出典:薬事日報

ページトップへ