がん登録センター開設‐全国の患者情報を一元化
国立がん研究センターは8日、同センター内に「がん登録センター」を開設した。全国癌登録を推進し、全ての病院から都道府県に提供された患者情報を一元的に集約し、癌医療の向上や予防、検診の促進に役立てることが狙い。人材育成や情報収集のルールの標準化事業も進めていく。
登録センターは、全国癌登録を担当する全国癌登録室、院内癌登録を担当する院内癌登録室など、5室で構成し、約40人体制で癌情報のデータ分析や院内癌登録の実施医療機関の支援などの業務を行っていく。
これまでの癌登録では、都道府県間でデータが重複していたり、データを提供しない医療機関があるなどの問題があり、正確な癌の罹患者や死亡者数が把握できていなかった。
今回、登録センターの設立により、全ての病院と指定の診療所に各都道府県への癌患者データの提出が義務づけられ、市町村から提供される生存確認のデータと一緒に国が管理することで、癌患者の正確な情報を把握し、効果的で迅速な癌対策につなげる。
記者会見した堀田知光理事長は、「従来の癌登録は努力義務であり、収集できるデータの質や量にばらつきがあったが、登録センターの設立により、全国の癌患者のデータを正確に把握し、国民の利益に貢献していきたい」と語った。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
国立がん研究センターが全国のがんに関する情報登録を推進する「がん登録センター」を開設しました。登録センターでは約40人体制で、全国から集まったがんの情報の分析などを行うとのことです。