医療費

16年度診療報酬改定を総括‐かかりつけ薬剤師の評価高く

薬+読 編集部からのコメント

日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の診療側3団体、支払側6団体が2016年度診療報酬改定についてを総括する会見を開きました。診療側、支払側ともにかかりつけ薬剤師の方向性については高く評価し、医療費の削減にも期待がもてるとのことですが、患者からの評価も気になるところですね。

2016年度診療報酬改定の答申を受け、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の診療側3団体、支払側6団体は10日、記者会見を開き、改定論議を総括した。診療側は、本体プラスによって「それなりの評価ができた」と一定の満足感を示した。一方、マイナス改定を主張していた支払側は、「結果として本体プラスとなり、薬価引き下げ財源も国民還元の方向が示されなかったのは残念」としつつ、かかりつけ薬剤師の方向性については高く評価した。

 

診療側、支払側が会見

診療側
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診療側は、日本医師会の横倉義武会長が、診療所や中小病院のかかりつけ医の強化、在宅医療の推進、医薬品の適正使用などのポイントを挙げ、「前回改定に引き続き少ない改定財源の中、それなりの評価ができたのではないか」と総括。薬剤師についても言及し、「規制改革会議で医薬分業のあり方が問われる中、厳しい状況での改定だったが、医科、歯科、調剤の配分比率をこれまで通り維持すると共に、かかりつけ薬剤師を評価するなど、本来の医薬分業の方向性に近づいたのではないか」と評価した。

 

日本薬剤師会の山本信夫会長も、改定財源の配分比率が維持されたことを評価しつつ、大型門前薬局の適正化が行われたことに対しては、「対象となる会員もいるため会長としては忸怩たるものがあるが、それを含めても、今回のかかりつけ薬剤師の評価という新しい基軸が出されたことは大変評価している」と総括。かかりつけ薬剤師指導料の算定に、署名付きの同意書が必要になることについては、「正しく定着していくために患者の確認は必要。新しい仕組みを作る中で、制度を広げていく上では、同意書の取得はやむを得ない」との考えを示した。

 

支払側「全体として良い内容」

支払側
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一方、支払側は、健康保険組合連合会の幸野庄司理事が、「全体としては非常に良い内容になった」と評価しつつ、「結果として本体プラス、薬価引き下げ財源も国民還元の方向が示されなかったのは残念」と総括した。

 

幸野氏は、かかりつけ薬剤師・薬局の方向性について、「非常に評価している」と高く評価。かかりつけ機能の発揮とその国民還元に期待感を示した上で、「今まで医薬分業が量的に拡大してきたが、今回は門前で薬をもらうだけの分業を是正して、質を転換していこうという薬局改革元年だと思う。少し患者負担に影響を与えるが、服薬状況の一元管理、減薬などが算定要件になっており、長い目で見ると医療費減少に寄与していくのではないか」と述べた。

 

花井十伍氏(日本労働組合総連合会「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)は、今回は何度目かの医薬分業元年になるとの見方を示した上で、「今回はおそらく最後のチャンスに近い。薬剤師の職能全体が正念場を迎えていると思っている。それだけ大きな期待をかけているということであり、国民が利益を得られる分業を見せてほしい」と訴えた。

 

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出典:薬事日報

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