- 1.処方箋の発行について
- 1-1. Q:処方箋とはなんですか?
- 1-2. Q:病院を受診せずに処方箋だけもらいたいのですが…
- 1-3. Q:いつもの薬がほしいだけなのに、病院で処方箋をもらわないといけないの?
- 1-4. Q:病院よりも近くの薬局で薬をもらった方がいいの?
- 2.処方箋の受け付けについて
- 2-1. Q:薬局ならどこでもいつでも処方箋を受け付けてもらえますか?
- 2-2. Q:処方箋の渡し先は、ドラッグストアと薬局で違いがありますか?
- 2-3. Q:処方箋をもらったけれど、忙しくて薬局に持って行けません。
- 2-4. Q:FAXで処方箋を送って、受け付けしてもらえますか?
- 2-5. Q:処方箋の有効期限が切れてしまったのですが、まだ使用できますか?
- 2-6. Q:処方箋の有効期限を延長してもらえますか?
- 2-7. Q:薬をもらうのに、なぜ保険証が必要なのですか?
- 2-8. Q:初回受け付けの時に質問票を記載するのはどうしてですか?
- 3.処方箋の記載内容について
- 3-1. Q:処方箋には何が書かれているのですか?
- 3-2. Q:医師から「分割調剤でジェネリックを試してみて」と言われました。どういうことですか?
- 3-3. Q:この処方箋で何度かに分けて薬を受け取れると聞いたのですが…
- 4.処方箋受け付け後のお薬の受け取りについて
- 4-1. Q:処方箋なしでお薬はもらえますか?
- 4-2. Q:処方箋を受け付けしてから後日取りに行ってもよいでしょうか?
- 4-3. Q:処方箋の受け付けや薬の受け取りは代理の人が行ってもよいですか?
- 5.処方箋の役割や扱いを周知することが医療の質向上につながる
1.処方箋の発行について
症状が安定している患者さんは数カ月以上処方内容が変わらないことが多く、処方箋をもらうために医療機関を受診していると考えているケースがあります。
薬をもらうためだけの医療機関となれば、同じ治療を継続することに疑問を抱かれるかもしれません。
同じ内容の調剤であることの意味、治療には継続が必要なこと、使用中の薬は効果的に作用していると判断しての調剤であることなどを説明することが大切です。
1-1. Q:処方箋とはなんですか?
A:処方箋とは、医師が診察した時に、お薬を服用する必要があると思った場合に発行されるものです。
1-2. Q:病院を受診せずに処方箋だけもらいたいのですが…
A:恐れ入りますが、病院を受診しないで、処方箋をもらうことはできません。いつも処方箋をもらっている病院を受診いただけますか。
なお、リフィル処方箋が発行されている場合は、医師および薬剤師の適切な連携の下、医師が指定した一定の期間内に処方箋を反復利用することができます。
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1-3. Q:いつもの薬がほしいだけなのに、病院で処方箋をもらわないといけないの?
A:医師は検査値や症状に変わりがないかをみてから服用するお薬を決めています。体調が変わらないと感じていても、検査値などが変わっていることもありますので、診察を受けてから処方箋を受け取ってください。
また、薬剤師は症状が安定していて処方内容に変更がない患者さんであっても、基本的に処方箋をお持ちでない方にお薬をお渡しはできません。医師も医師法により診察せずに処方箋を発行することができない決まりになっています。
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1-4. Q:病院よりも近くの薬局で薬をもらった方がいいの?
A:他の病院でもらった薬や市販薬、サプリメントなど飲み合わせチェックがまとめて行えますので、お薬はかかりつけの薬局でもらうのがよいですね。服用薬を医師や薬剤師に伝え忘れてしまうといったことも起こりにくいため、安全に薬を服用できますよ。
ダブルチェックの機能があることも伝え、できるかぎり調剤薬局で薬をもらうように勧めましょう。また、病院よりも調剤薬局の方が丁寧に薬の説明や確認が行える点も伝えるとよいでしょう。
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2.処方箋の受け付けについて
処方箋の有効期限や来局以外の受け付け方法などは、一般に周知されていない場合があります。
また、処方箋の受け付け時に保険証を提示したり、質問票に記入したりすることに疑問を感じる患者さんがいますので、便利なサービスがあることやアドバイスを伝えて、気軽に調剤薬局を利用してもらえるように努めましょう。
2-1. Q:薬局ならどこでもいつでも処方箋を受け付けてもらえますか?
A:薬局が開いている時間帯は、基本的にいつでも処方箋を受け付けます。ポスト投函やFAXなどで受け付けを行っている調剤薬局もありますので、詳細はかかりつけ薬局に確認してください。
2-2. Q:処方箋の渡し先は、ドラッグストアと薬局で違いがありますか?
A:調剤を行っているドラックストアであれば、調剤薬局と同様に処方箋を受け付け、お薬をお渡しできます。
処方箋を扱えるのは、調剤薬局と調剤併設型ドラックストアがあると説明し、処方箋の渡し先は患者さんの生活に合わせて選べることを伝えましょう。
2-3. Q:処方箋をもらったけれど、忙しくて薬局に持って行けません。
FAXや日本薬剤師会の「eお薬手帳3.0」アプリなどを利用すれば、薬局に行かなくても処方箋を受け付けてもらえます。処方箋の有効期限は4日間ですので、4日以内に処方箋の受け付けをしてください。
2-4. Q:FAXで処方箋を送って、受け付けしてもらえますか?
A:FAXによる受け付けを行っている調剤薬局もあります。お薬は処方箋の原本と引き換えになるので、お薬を受け取る時は処方箋の原本を忘れず持って行ってくださいね。
2-5. Q:処方箋の有効期限が切れてしまったのですが、まだ使用できますか?
基本的には使用できません。お約束はできませんが、調剤薬局から処方医へ問い合わせを行うことで、有効期限を延長できる場合があります。
ただし、医師が処方箋に有効期限を記載している場合は、医師が記載した日付まで処方箋を使用できます。
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2-6. Q:処方箋の有効期限を延長してもらえますか?
A:処方医に処方箋の有効期限を延長してもらえるか確認しますのでお待ちください。風邪など症状が変わりやすい疾患の場合は、症状を確認するために再受診を指示されることもあります。
2-7. Q:薬をもらうのに、なぜ保険証が必要なのですか?
A:処方箋に記載されている保険証の記号と番号に、間違いがないかを確認しています。医療費に関わることなので、ご理解いただけますでしょうか。
保険証や医療証などを使用すると、患者さんの医療費が3割以下になることをご存じないかもしれません。患者さんが支払う医療費に関わる点を説明するとよいでしょう。
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2-8. Q:初回受け付けの時に質問票を記載するのはどうしてですか?
A:お薬をお渡しする前に、服用歴やアレルギー歴、健康食品やサプリメントなどを確認して、お薬との飲み合わせなどをチェックしています。安心安全にお薬を服用できるようにするためですので、ご理解いただけますでしょうか。
3.処方箋の記載内容について
処方箋の記載内容を理解することで、患者さん自身が処方箋の期限や用法用量の確認できるようになります。
分割調剤についてなじみのない患者さんもいますので、質問があった場合は丁寧に説明しましょう。
3-1. Q:処方箋には何が書かれているのですか?
A:「医薬品名」「分量」「服用タイミング」「処方日」「有効期限」などが記載されています。非常にまれですが、自身のものではない処方箋を受け取る場合がありますので、処方箋を受け取った時は、間違いがないかお名前を確認してくださいね。
処方箋は、医師法施行規則第二十一条で「医師は、患者に交付する処方せんに、患者の氏名、年齢、薬名、分量、用法、用量、発行の年月日、使用期間及び病院若しくは診療所の名称及び所在地又は医師の住所を記載し、記名押印又は署名しなければならない。」と定められています。
3-2. Q:医師から「分割調剤でジェネリックを試してみて」と言われました。どういうことですか?
A:ジェネリック医薬品の使用にお試し期間を設けるために、分割調剤を利用する方法があります。処方日数を最大3回に分けてお薬をお渡しすることで、1回目にジェネリック医薬品を服用し、2回目以降はジェネリック医薬品に変更するかどうか選べます。
初めてジェネリック医薬品を使用する際のお試し期間だけでなく、長期での保存が困難な医薬品も分割調剤にできます。また、患者さんの服用状況から定期的に薬剤師による服薬サポートが必要と判断されるケースにおいて、医師が分割調剤を指示した場合に実施します。
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3-3. Q:この処方箋で何度かに分けて薬を受け取れると聞いたのですが…
A:分割調剤の指示が入っている処方箋のことですね。分割調剤とは、数回に分けて薬を受け取れる方法です。お薬と一緒に、いったん、処方箋を返却しますので、次回分のお薬をもらいたい時は全ての処方箋を調剤薬局に持参することになります。次回まで処方箋をなくさないようにしてくださいね。
また、処方箋が複数枚ある場合は調剤済みの処方箋も含めて確認が必要です。全ての処方箋を持参するように伝えましょう。なお、全ての処方箋が揃っていない場合はお薬をお渡しすることができない点も事前に伝えておくとよいでしょう。
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4.処方箋受け付け後のお薬の受け取りについて
処方箋の受け付けに期限があるのに対し、受け取りには期限などの制限がありません。
そのため、処方箋の受け付け以降は、患者さん自身が服用薬を管理することになります。残薬の確認や代理の方がお薬を受け取る場合の注意点などはしっかり周知しておきましょう。
4-1. Q:処方箋なしでお薬はもらえますか?
A:基本的には、処方箋なしで処方薬をお渡しすることはできません。
零売とは、患者さんが自分の症状を把握できる場合に、薬剤師がカウンセリングを実施した上で、最低限度の医療用医薬品を処方箋なしで販売できる方法です。
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4-2. Q:処方箋を受け付けしてから後日取りに行ってもよいでしょうか?
A:後日の受け取りでも期限内であれば問題はありません。
4-3. Q:処方箋の受け付けや薬の受け取りは代理の人が行ってもよいですか?
A:代理の方が、処方箋の受け付けや薬の受け取りを行っても、特に問題はありません。お薬をお渡しする際、病状やアレルギー歴、服用歴、余っている薬の錠数などを確認するため、あらかじめ代理の方にお伝えください。アレルギー歴や服用歴などについては、お薬手帳に記載されていれば確認できます。
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5.処方箋の役割や扱いを周知することが医療の質向上につながる
処方箋にまつわる質問は、ほかにもさまざまなものがあります。中には驚くような質問が出ることもあるでしょう。
しかし、薬剤師として処方箋の役割や扱いを伝えることは、患者さん自身の治療内容や薬の意味などの理解が深まることにもつながります。
納得して医療機関を受診してもらうために必要なことなので、患者さんから処方箋についての質問があったときは、疑問が解消されるよう丁寧に説明し、安心感を高めることが大切です。
薬剤師ライター。2児の母。大学卒業後、調剤薬局→病院→調剤薬局と3度の転職を経験。循環器内科・小児科・内科・糖尿病科など幅広い診療科の経験を積む。2人目を出産後、仕事と子育ての両立が難しくなったことがきっかけで、Webライターとして活動開始。転職・ビジネス・栄養・美容など幅広いジャンルの記事を執筆。趣味は家庭菜園、裁縫、BBQ、キャンプ。