実習日誌は課題や感想文ではなく、報告書を書くつもりで
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実習日誌は、実習中毎日書く必要があります。課題として「書かされている」という意識を捨てて、「薬剤師として報告書を書いている」というような気持ちで向き合ってほしいと思います。
そのように意識を変えることで、実習内容について「すごいと思った」「とてもためになった」などの感想文で終わることなく、実習中の目標達成や気付き、実習内容の理解や実践等を考察して、自身がどのように成長しているか、将来どのような薬剤師になりたいのかなどを考えるきっかけになります。
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日誌のテンプレートを用意して、効率よく記入しましょう
● 実習内容
● グループディスカッションの内容
● 症例検討の内容
● 目標達成状況
● 指導薬剤師からのコメント
大切なのは、実習に臨む際の準備や心構えです。実習内容を言われた通りにこなすだけでは、一日を振り返ったときに「昨日と同じ」という記載になりかねません。実習前に「今日は昨日より早く軟膏詰めができるようになろう」「ピッキングのミスを昨日より減らそう」などと具体的な目標を立てると、目標を達成できたか、問題点や改善点は何か、など日誌に書く内容の幅が広がり、効率も良くなると思います。
さらに、実習そのものに積極的に取り組むことができるので、同じことをやっても学びや気付きに大きな違いが出ます。先輩薬剤師の手技や指導内容・方法に意識を向けると、客観的に自分の課題に気づくことができ、日誌に書きたい事柄が自然と増えるでしょう。
また、実習中に気付いたり疑問に感じたりしたことをすぐにメモする習慣をつけると、日誌を書く際に困ることが少なくなります。日誌を書くことは、実習内容の理解を確認する作業でもあります。どんな実習でも「何のためにやるのだろう?」「どうすれば効率よくできるだろう?」などと考える習慣をつけると、書きたいことがどんどん思い浮かぶようになると思います。
社会人になると報告書を書く機会が増えますが、日誌を書くことは、文章力や表現力を身につけるチャンスです。「今日は1時間で仕上げよう」、翌日は「50分で書き上げよう」などと時間にも目標を定めて臨むと、卒論を書く際や社会人になって報告書を書く際の練習にもなるでしょう。よりいっそう実り多い実習になるように頑張ってください。
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株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
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