異動で小児科の門前薬局に勤務することになりました。以前働いていた薬局は整形外科に通うお年寄りの患者さんが多かったので、まったく違う雰囲気に戸惑っています。小児科の門前薬局で働く際に気を付けることはありますか。
小児科の服薬指導で気を付けたいポイント
門前薬局の場合、近隣の医療機関の処方を多く取り扱うため、特定の診療科の処方が多くなり、患者さんの年齢層にも偏りが出やすいことはご存じのとおりです。整形外科と小児科では、指導内容はもちろんのこと、待合室の雰囲気までまるで違いますね。私も同様の経験をして戸惑ったことがあるため、相談者さんのお気持ちはよく分かります。私が感じてきたことも含めて、小児科の服薬指導等で気を付けたいポイントをまとめてみます。
1.用法・用量、副作用について確認しましょう
小児は薬物動態の個人差が大きく、患者さん本人が自身の体調や変化を言葉にして伝えることが難しいという特徴があります。薬の効果や副作用が強く現れたり、反対に現れにくくなったりすることが考えられますから、患者さん本人の様子をしっかり確認するとともに、保護者へのヒアリングを丁寧に行いましょう。用法・用量が年齢や体重に対して適切かを念入りに確認するのはもちろんですが、副作用が出ていないかについても忘れずに確認してほしいと思います。
2.薬物アレルギーなどに注意しましょう
アレルギー反応は大人にも起こりますが、小児は体調に変化が起きてもそれを自覚して正確に伝えるのが困難です。アナフィラキシーショックなど特に注意が必要な副作用については、保護者に対して起こりうる症状をあらかじめ説明して、薬を飲ませた後はしばらく様子を見るように指導しましょう。
3.薬の飲ませ方や雰囲気づくりについて指導しましょう
大人と大きく違う点が、小児への薬の飲ませ方。すんなり薬を飲んでくれない小児も多いため、飲ませ方の工夫や飲みたくなるような雰囲気づくりについての指導が欠かせません。保護者に対して、薬を嫌がる場合の飲ませ方やうまく薬が飲めた時の褒め方などを指導するのに加えて、小児の患者さん本人に対しても、可能な限り薬剤師が直接ほめたり励ましたりするといいでしょう。
また、薬を飲ませるのが必ずしも服薬指導を受ける保護者とは限らないことにも留意が必要です。保育園や幼稚園のスタッフ、祖父母等が服薬させる可能性があれば、薬の飲ませ方や副作用等の情報を書面にして渡すなど、保護者に負担をかけない配慮もほしいところです。
小児は薬物動態の個人差が大きく、患者さん本人が自身の体調や変化を言葉にして伝えることが難しいという特徴があります。薬の効果や副作用が強く現れたり、反対に現れにくくなったりすることが考えられますから、患者さん本人の様子をしっかり確認するとともに、保護者へのヒアリングを丁寧に行いましょう。用法・用量が年齢や体重に対して適切かを念入りに確認するのはもちろんですが、副作用が出ていないかについても忘れずに確認してほしいと思います。
2.薬物アレルギーなどに注意しましょう
アレルギー反応は大人にも起こりますが、小児は体調に変化が起きてもそれを自覚して正確に伝えるのが困難です。アナフィラキシーショックなど特に注意が必要な副作用については、保護者に対して起こりうる症状をあらかじめ説明して、薬を飲ませた後はしばらく様子を見るように指導しましょう。
3.薬の飲ませ方や雰囲気づくりについて指導しましょう
大人と大きく違う点が、小児への薬の飲ませ方。すんなり薬を飲んでくれない小児も多いため、飲ませ方の工夫や飲みたくなるような雰囲気づくりについての指導が欠かせません。保護者に対して、薬を嫌がる場合の飲ませ方やうまく薬が飲めた時の褒め方などを指導するのに加えて、小児の患者さん本人に対しても、可能な限り薬剤師が直接ほめたり励ましたりするといいでしょう。
また、薬を飲ませるのが必ずしも服薬指導を受ける保護者とは限らないことにも留意が必要です。保育園や幼稚園のスタッフ、祖父母等が服薬させる可能性があれば、薬の飲ませ方や副作用等の情報を書面にして渡すなど、保護者に負担をかけない配慮もほしいところです。
保護者の不安を取り除くよう精神的サポートが欠かせません
小児は自身で薬を管理したり飲んだりするのが難しい場合が多いため、服薬指導は保護者に向けて行う場合がほとんどだと思います。ここで気を付けたいのは、薬剤師がどちらに話しかけたとしても、双方が薬剤師との対話の様子を見ているということ。保護者に指導している時の様子を小児は見ていますし、小児に語り掛けている様子を保護者は見ています。
小児に話しかける場合、保護者も聞いていることを念頭に置き、赤ちゃん言葉や友達言葉が過度に出すぎないよう節度を持って話しかけましょう。一方で保護者に対する説明では、小児もその様子を見聞きしていることを忘れず、たとえば副作用の説明の場面では表情や態度が硬くないか、厳しい口調になっていないかなどにも気を付けましょう。
小児に話しかける場合、保護者も聞いていることを念頭に置き、赤ちゃん言葉や友達言葉が過度に出すぎないよう節度を持って話しかけましょう。一方で保護者に対する説明では、小児もその様子を見聞きしていることを忘れず、たとえば副作用の説明の場面では表情や態度が硬くないか、厳しい口調になっていないかなどにも気を付けましょう。
小児の服薬指導では、薬を飲ませる保護者へのサポートが欠かせません。特に、初めて薬を飲ませる、薬をすんなり飲まず困っている、といった保護者については、服薬に関する不安を取り除くための精神的なサポートが必須です。
小児は保護者が不安そうな表情や態度を見せると敏感に察知しますし、無理に薬を飲ませようとして怖い顔をすれば、ますます飲みたがらなくなるかもしれません。薬をうまく飲めない小児は全体の8割ともいわれています。保護者がリラックスして小児の服薬に取り組めるよう、いつでも気軽に相談してほしいと伝えましょう。
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村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
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ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
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