薬剤師のお悩みQ&A 更新日:2015.05.22公開日:2014.08.29 薬剤師のお悩みQ&A

第3回 宇多川久美子 先生

20余年の薬剤師としての臨床経験から、薬の有益性を知る一方で、薬がもつ好ましくない面も熟知する宇多川先生は、食べ方や歩き方を少し変えるだけで「薬を飲まない」あるいは「薬を減らす」身体をつくることが可能だといいます。
「薬を飲まない薬剤師」として、運動療法と食事療法の大切さを伝えるための活動を続けている宇多川先生に、患者さんの健康増進に役立つ食事と運動のアドバイス法についてうかがいました。

Q
「薬をもらって一刻も早く帰りたい」患者さんと、体調が悪い中待っている患者さんに1秒でも早く薬を渡したい薬剤師。お互いに時間がない状況でも、食事指導が必要と思われる患者さんへ、コンパクトに伝えられる食事についてのアドバイス法を教えてください。

食事指導のなかでも食べる内容のアドバイスは、ある程度の時間をかけて患者さんから普段の生活習慣の聞き取りをし、指導をすることが欠かせません。「早く薬をもらって帰りたい」と思っている患者さんからそのための時間をもらうことは難しいですよね。それに加え、たとえば「1日30品目食べる」といった指導は、患者さんにとって面倒だったり、わかってはいるけど、外食が多くて実行できないなどの理由からハードルが高かったりと、ストレスになってしまうこともあります。
そんなとき、誰でもすぐに実行でき、しかも短時間で伝えられる食事のアドバイスが一つあります。それは、「食べる順番について」です。同じカロリー分の食事でも、食べる順番を工夫してインスリンの分泌量を減らし、血糖値の上昇をゆるやかにすることで、体脂肪にしにくくすることができます。インスリンには、血液中の糖をエネルギーとして利用するだけではなく、消費し切れずに残った糖を脂肪細胞に運んで貯蔵する働きがあります。食事の順番の工夫で、この貯蔵される内臓脂肪の量を抑えようという狙いです。

 

定食スタイルで、サラダ、みそ汁、生姜焼き、ごはんというメニューが出てきたとしたら、まずサラダとスープを食べましょう。野菜に含まれる食物繊維が糖質の吸収をおさえ、血糖値の上昇をゆるやかにしてくれます。また、汁物を先にとれば満腹感も得られます。次にタンパク質が主体となる生姜焼きなどのメインディッシュ、最後に糖質主体のごはんやパンを摂ります。
食事の順番に気をつけることは、誰にでも、次の食事からすぐに実践できます。ぜひ、投薬のときのワンポイントアドバイスとして活用してみてください。

食事指導のなかでも食べる内容のアドバイスは、ある程度の時間をかけて患者さんから普段の生活習慣の聞き取りをし、指導をすることが欠かせません。「早く薬をもらって帰りたい」と思っている患者さんからそのための時間をもらうことは難しいですよね。それに加え、たとえば「1日30品目食べる」といった指導は、患者さんにとって面倒だったり、わかってはいるけど、外食が多くて実行できないなどの理由からハードルが高かったりと、ストレスになってしまうこともあります。
そんなとき、誰でもすぐに実行でき、しかも短時間で伝えられる食事のアドバイスが一つあります。それは、「食べる順番について」です。同じカロリー分の食事でも、食べる順番を工夫してインスリンの分泌量を減らし、血糖値の上昇をゆるやかにすることで、体脂肪にしにくくすることができます。インスリンには、血液中の糖をエネルギーとして利用するだけではなく、消費し切れずに残った糖を脂肪細胞に運んで貯蔵する働きがあります。食事の順番の工夫で、この貯蔵される内臓脂肪の量を抑えようという狙いです。

 

定食スタイルで、サラダ、みそ汁、生姜焼き、ごはんというメニューが出てきたとしたら、まずサラダとスープを食べましょう。野菜に含まれる食物繊維が糖質の吸収をおさえ、血糖値の上昇をゆるやかにしてくれます。また、汁物を先にとれば満腹感も得られます。次にタンパク質が主体となる生姜焼きなどのメインディッシュ、最後に糖質主体のごはんやパンを摂ります。
食事の順番に気をつけることは、誰にでも、次の食事からすぐに実践できます。ぜひ、投薬のときのワンポイントアドバイスとして活用してみてください。

宇多川久美子先生プロフィール
宇多川久美子先生プロフィール
薬剤師。栄養学博士(米AHCN大学)。ボディトレーナー。一般社団法人国際感食協会代表理事。有限会社ユアケー代表取締役。ハッピーウォーク主宰。NPO法人統合医学健康増進会常務理事。
著書に「薬剤師は薬を飲まない」「薬が病気をつくる ~薬に頼らずに健康で長生きする方法」などがある。
一般社団法人国際感食協会
http://www.kanshoku-kyoukai.com/kanshoku.html/