好感を持たれる第一印象づくり
面接の7割が第一印象で決まるといわれています。最初の印象をつくるものとして、身だしなみや態度、しぐさや表情などの視覚的要素と、声の高低やテンポなどの聴覚的要素があります。つまり、言葉以外の部分が採用に大きく影響するというわけです。
笑顔で元気がいいことはもちろん、薬剤師にとって重要なのは清潔感。きちんとした身だしなみと落ち着いた声のトーンで、相手に信頼感と安心感を与えましょう。
また、言葉づかいも人間の本質を表すと言われます。面接では適切な相づちを打ち、誠実で謙虚な姿勢を見せましょう。面接官から話しかけられたときに上半身をかるく前に傾けるだけでも、より前向きな態度が表れるようになります。緊張すると早口になってしまうという人は、いつも以上にゆっくり丁寧に話すことを心がけましょう。
志望動機と実務経験はしっかりアピール
面接において最も多い質問は、「志望動機」と「実務経験」です。薬剤師の志望動機については、転職先となる病院や薬局を選んだ理由だけでなく、志望先の方針についての理解を示しながら自分自身の考えを明確にする必要があります。自分の言葉として無理なく話せるようになるためにも、転職先の情報収集は必須です。転職エージェントと契約している場合は、そのエージェントから情報を収集するとよいでしょう。
実務経験について聞かれたら、前職での業務内容をきちんと説明しましょう。前職の経験から転職先で貢献できる業務を伝えることで、採用後のイメージをしやすくし、好感度を高めます。たとえば、この会社に入ることができたら、在宅医療活動をやっていきたい、専門薬剤師に挑戦してみたい、服薬指導のスキルを磨きたい……など、自分の希望を伝えてみましょう。これから薬剤師としてやっていきたいことがある、そしてその企業や薬局のために貢献したいという気持ちが伝われば、さらにプラスαのアピールになるでしょう。
また、取得しているスキルや資格も自己PRにつながります。
職務経歴書は自己PRに使える最大の武器
面接の前に提出する「職務経歴書」は、最大の自己PRツール。採用担当者が時間をかけて目を通す資料であり、事前に候補を絞り込まれることも考えられます。薬剤師としての経験値を書類上で見定められる職務経歴書ですから、面接前に志望動機や実務経験もしっかり書いてアピールします。加えて、薬剤師ならではの経験も具体的に記載しておく必要があります。特に、以下の点について必ず書いておくとよいでしょう。
➢ 処方せんの受付枚数、薬剤師の配置数、処方科目……相手が経験値を推量する手がかりとなります。
➢ 企業での管理薬剤師としての経験の有無……調剤技術以外に医薬品医療機器等法(旧薬事法)・薬剤師法についての知識もあることがアピールできます。
大切なのは、採用担当者が「どんな人材が欲しいか」を考えることです。面接の際にどんな情報が求められているか考えながら、履歴書や職務経歴書でアピールできるポイントをまとめてみましょう。
限られた時間で最高の自分を見せよう
面接は、限られた時間で自分を最大限に売り込む営業タイム。清潔感のある身だしなみや、落ち着いた口調を心がけるなど、第一印象で好感度を上げるのを忘れずに。志望動機や実務経験は自分の言葉で上手に説明できるよう、事前の練習が必要です。また、職務履歴書で薬剤師としての経験値をアピールし、採用担当者の目に留まるような魅力的な書類に仕上げます。これまでの経験や実績に自信を持って、しっかり自分を売り込みましょう。