薬剤師がアルバイト・パートとして働くと、年収がどのくらいになるのか気になる人もいることでしょう。本記事では、アルバイト・パートで働くパート薬剤師と正社員で働く薬剤師の平均年収についてお伝えするとともに、アルバイト・パートで働くメリット・デメリット、年収アップを目指す方法についてもお伝えします。

- 1.アルバイト・パートで働く薬剤師の平均年収はいくら?
- 1-1.アルバイト・パートで働く薬剤師の平均時給
- 1-2.週2~3日働く場合の年収の目安
- 1-3.週5日働く場合の年収の目安
- 2.正社員の薬剤師の平均年収はいくら?
- 3.薬剤師がアルバイト・パートで働くメリット
- 3-1.柔軟な働き方が可能
- 3-2.転勤や異動が少ない
- 3-3.通勤時間が短くなりやすい
- 3-4.扶養内で働くこともできる
- 4.薬剤師がアルバイト・パートで働くデメリット
- 4-1.ボーナスや退職金は支給されない場合が多い
- 4-2.任される仕事の範囲が限られやすい
- 4-3.キャリアアップに限界がある
- 5.アルバイト・パートで働く薬剤師が年収アップを目指すには?
- 5-1.シフトを増やす
- 5-2.複数の仕事を掛け持ちする
- 5-3.時給アップの交渉をしてみる
- 5-4.時給が高い職場に転職する
- 6.年収と働きやすさのバランスを考慮して働き方を考えよう
1.アルバイト・パートで働く薬剤師の平均年収はいくら?
アルバイト・パートで働く薬剤師の平均年収は、時給や勤務する日数などによって異なります。ここでは、アルバイト・パートの平均時給と、週2~3日・週5日で働く場合の年収の目安についてお伝えします。
1-1.アルバイト・パートで働く薬剤師の平均時給
アルバイト・パートで働く薬剤師の平均時給の目安として、「令和7年賃金構造基本統計調査」の短時間労働者に関するデータを紹介します。同調査によると、短時間労働者として働く薬剤師の平均時給(1時間当たり所定内給与額)は2,540円です。「年間賞与その他特別給与額」は9万5,900円でした。
| 性別 | 平均時給 | 年間賞与その他 特別給与額 |
|---|---|---|
| 合計 | 2,540円 | 9万5,900円 |
| 男性 | 2,614円 | 12万7,900円 |
| 女性 | 2,526円 | 8万9,800円 |
※平均時給=1時間当たり所定内給与額
参考:令和7年賃金構造基本統計調査 短時間労働者 職種 1 短時間労働者の職種(小分類)別1時間当たり所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|政府統計の総合窓口 e-Stat
男女別の平均時給は、男性が2,614円、女性が2,526円でした。男性の方が平均時給がやや高くなっている理由のひとつとして、女性の平均年齢が51.6歳であったのに対し、男性の平均年齢は57.5歳と、女性よりも高いことが影響していると考えられます。
1-2.週2~3日働く場合の年収の目安
続いて、週2~3日働いた場合の年収の目安を紹介します。先に紹介した平均時給で1日5時間・週3日働いた場合(月60時間)の月収は15万2,400円、年収は192万4,700円です。
| 性別 | 平均時給 | 年間賞与その他 特別給与額 |
月収 | 年収 |
|---|---|---|---|---|
| 全体 | 2,540円 | 9万5,900円 | 15万2,400円 | 192万4,700円 |
| 男性 | 2,614円 | 12万7,900円 | 15万6,840円 | 200万9,980円 |
| 女性 | 2,526円 | 8万9,800円 | 15万1,560円 | 190万8,520円 |
※月収=時給×60時間
※年収=月収×12カ月+年間賞与その他特別給与額
参考:令和7年賃金構造基本統計調査 短時間労働者 職種 1 短時間労働者の職種(小分類)別1時間当たり所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|政府統計の総合窓口 e-Stat
男性の年収は約201万円、女性は約191万円と、10万円ほどの開きがあることが分かります。
1-3.週5日働く場合の年収の目安
先に紹介した平均時給で1日8時間・週5日(月160時間)とフルタイムで働いた場合、月収は40万6,400円、年収は497万2,700円になります。
| 性別 | 平均時給 | 年間賞与その他 特別給与額 |
月収 | 年収 |
|---|---|---|---|---|
| 全体 | 2,540円 | 9万5,900円 | 40万6,400円 | 497万2,700円 |
| 男性 | 2,614円 | 12万7,900円 | 41万8,240円 | 514万6,780円 |
| 女性 | 2,526円 | 8万9,800円 | 40万4,160円 | 493万9,720円 |
※月収=時給×160時間
※年収=月収×12カ月+年間賞与その他特別給与額
参考:令和7年賃金構造基本統計調査 短時間労働者 職種 1 短時間労働者の職種(小分類)別1時間当たり所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|政府統計の総合窓口 e-Stat
国税庁が公開している「令和6年分 民間給与実態統計調査」の結果によると、正社員(正職員)以外の給与所得者の平均年収は206万円、男性は271万円、女性は174万円となっています。異なる調査結果との比較ではあるものの、アルバイト・パートで働く薬剤師の年収は他職種と比べて高水準であることがうかがえます。
参考:令和6年分 民間給与実態統計調査|国税庁
2.正社員の薬剤師の平均年収はいくら?
正社員で働く薬剤師の平均時給の目安として、「令和7年賃金構造基本統計調査」の一般労働者に関するデータを紹介します。同調査によると、一般労働者として働く薬剤師の平均年収は566万7,900円です。
| 性別 | 平均月収 | 年間賞与その他 特別給与額 |
平均年収 |
|---|---|---|---|
| 全体 | 39万8,700円 | 88万3,500円 | 566万7,900円 |
| 男性 | 42万5,400円 | 95万2,300円 | 605万7,100円 |
| 女性 | 37万9,900円 | 83万5,000円 | 539万3,800円 |
※平均月収=きまって支給する現金給与額
平均年収=平均月収×12カ月+年間賞与その他特別給与額
参考:令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|政府統計の総合窓口 e-Stat
正社員で働く薬剤師と、フルタイムでアルバイト・パートとして働く薬剤師を比較すると、月収の水準は大きく変わらないものの、正社員の方が賞与が高い分、年収も高くなりやすいと考えられます。
3.薬剤師がアルバイト・パートで働くメリット
アルバイト・パートで働く大きな魅力は、自身の都合に合わせて働く時間を調整しやすい点です。ここでは、薬剤師がアルバイト・パートで働くメリットについて詳しくお伝えします。
3-1.柔軟な働き方が可能
薬剤師がアルバイト・パートで働く最大のメリットは、柔軟な働き方ができるという点でしょう。
子育て、介護など家庭を優先した働き方をしたい人や、プライベートの時間を大切にしたい人、副業をしたい人などにとって、働く時間を自由に調整しやすい点は大きなメリットです。
3-2.転勤や異動が少ない
転勤や異動が少ない点も、アルバイト・パートで働くメリットです。調剤薬局やドラッグストアなど複数店舗を運営する企業で正社員として働くと、人事異動が定期的に行われる場合があります。企業によっては転居を伴う転勤もあり、異動の度に引越しや異動先での新たな人間関係の構築、マニュアルの把握などをしなければなりません。
一方、アルバイト・パートは一般的に転勤や異動の対象となるケースが少なく、それに伴う手間や労力が発生する機会も限られる点はメリットといえるでしょう。
3-3.通勤時間が短くなりやすい
正社員は自宅から離れた店舗に配属された場合、公共交通機関や自動車を利用して職場まで通勤しなければならないこともあります。先述のとおり、アルバイト・パートは一般的に転勤や異動が少ないため、自宅から近い店舗で採用されれば、通勤に時間がかからない職場で働き続けられるのもメリットです。
通勤時間が短くなれば、自分の時間を確保しやすいため、仕事に割ける時間が限られている薬剤師にとってアルバイト・パートで働くメリットは大きいでしょう。
3-4.扶養内で働くこともできる
勤務時間を見直すことで収入を調整しやすいのも、アルバイト・パートで働くメリットです。薬剤師によっては、働ける時間が限られており大きな収入を得るのが難しいため、扶養内で働きたいと考える人もいることでしょう。
アルバイト・パートとして、自身の事情に合わせて働く時間を調整できれば、扶養内で働くことも可能です。
4.薬剤師がアルバイト・パートで働くデメリット
アルバイト・パートは、働き方を自由に選びやすい点がメリットですが、その分、収入やキャリアアップなどの面で正社員よりも不利になることがあります。ここでは、薬剤師がアルバイト・パートで働く場合のデメリットについてお伝えします。
4-1.ボーナスや退職金は支給されない場合が多い
アルバイトやパートは基本的に働いた分だけ収入を得る働き方のため、退職金は支給されないことが多いでしょう。
ボーナスについては、支給される企業もありますが、その金額は正社員と比較すると少ないケースが一般的です。収入を上げたい場合は、基本的に働く時間を増やすしかない点はデメリットといえるでしょう。
4-2.任される仕事の範囲が限られやすい
薬剤師の基本的な業務については、薬剤師法や薬機法などによる定めもあるため、アルバイト・パートと正社員で大きな差はないといえます。しかし、企業の立場として、経営上の責任を伴う仕事についてはアルバイト・パートに任せられないことが多いでしょう。
例えば、管理薬剤師や薬局長といった役職は、一般的に正社員が優先的に選ばれます。また、新人教育や実習生の指導、店舗の在庫・経費の最終管理なども、正社員が中心となって行う業務といえます。責任のある業務の経験を積みたい薬剤師にとって、任される仕事の範囲が限られやすい点はデメリットになるでしょう。
4-3.キャリアアップに限界がある
前述のとおり、アルバイト・パートは任される仕事の範囲が限られるため、キャリアアップにも限界がある点はデメリットといえます。
調剤以外にも教育、経営などに関わりたい場合や、管理薬剤師、薬局長などの役職を目指したい場合は、基本的に正社員で働く必要があるでしょう。
5.アルバイト・パートで働く薬剤師が年収アップを目指すには?
アルバイト・パートで働きながら年収アップを目指すには、働く時間を増やす方法や、時給をアップする方法が挙げられます。ここでは、アルバイト・パートで働く薬剤師が年収アップを目指す方法について詳しくお伝えします。
5-1.シフトを増やす
アルバイト・パートが年収アップを目指すシンプルな方法として、シフトに入る時間を増やすことが挙げられます。
勤務日数を週3日から週4日にしたり、1日の勤務時間を5時間から8時間にしたりすることで、年収アップが見込めます。
5-2.複数の仕事を掛け持ちする
勤務先でシフトを増やすことができない場合は、複数の仕事を掛け持ちするのも、年収を上げる方法です。
他薬局で働く方法もありますが、薬剤師とは異なる業種で働くのもよいでしょう。在宅ワークができる仕事を選ぶと、隙間時間を使って収入を得ることができます。
5-3.時給アップの交渉をしてみる
働く時間を増やせない場合は、勤務先で時給アップの交渉をしてみるという選択肢もあります。時給が上がれば、働く時間を増やさなくても年収アップが可能です。
数十円単位のアップの場合、大きな収入増加は見込めないかもしれませんが、交渉の余地がある場合は検討してみるとよいでしょう。
5-4.時給が高い職場に転職する
勤務先で時給アップの交渉が難しい場合は、思い切って時給の高い職場に転職するのもひとつの方法です。
効率的に転職活動を進めたい場合は、転職エージェントを活用するとよいでしょう。希望条件に合った求人を紹介してもらったり、転職活動のサポートを受けたりすることができます。
6.年収と働きやすさのバランスを考慮して働き方を考えよう
働きやすさを優先してアルバイト・パートで働くと、年収ややりがいが理想と異なってしまうことがあります。納得した働き方を選ぶためには、何を優先して働きたいのかをしっかりと考えることが大切です。
正社員として働くのか、アルバイト・パートとして働くのかを選択しなければならない場合は、まず自分にとって何が大切なのか、優先順位を整理することが重要なポイントとなるでしょう。

薬剤師ライター。病院・薬局で幅広い診療科を経験。現在は2児の子育てをしながら、Webライターとして活動中。専門的な資料や情報をわかりやすくかみ砕き、現場のリアルに寄り添う言葉で伝えることを大切にしている。同じ薬剤師として、日々の悩みやモヤモヤに共感しながら、少しでも役立つヒントや気づきを届けられるように試行錯誤中。
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