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「サインバルタ」の一変了承‐新効能に慢性腰痛症

薬+読 編集部からのコメント

薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は抗うつ薬「サインバルタ」など4品目の一部変更申請を審議し了承しました。慢性腰痛症の効能・効果が追加された「サインバルタ」は、副作用に自殺リスクがあるとして承認に慎重な意見も出ましたが、多数決で了承されたとのことです。

薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は5日、塩野義製薬の抗うつ薬「サインバルタ」など4品目の一部変更申請を審議し了承した。

 

審議品目

リツキサン注10mg/mL(全薬工業):有効成分のリツキシマブ(遺伝子組み換え)を含有し、腎移植、肝移植のABO血液型不適合移植における抗体関連型拒絶反応の抑制の効能・効果を追加する。

 

用法・用量は、1回量375mg/m2を点滴静注する。ABO血液型不適合移植における抗体関連型拒絶反応の抑制を効能・効果とする類薬はない。希少疾病用医薬品で再審査期間は10年。未承認薬等検討会議の開発要請品目。

 

海外では世界125カ国・地域で承認されているが、ABO血液型不適合腎移植・肝移植の効能・効果で承認されている国・地域はない。

 

イーケプラ錠250mg同500mg同ドライシロップ50%同点滴静注500mg(ユーシービージャパン):有効成分のレベチラセタムを含有し、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法の効能・効果を追加する。

 

用法・用量は、1日1000mgを1日2回に分けて経口投与する。ドライシロップは2g(1日1000mg)を1日2回に分けて用時溶解して経口投与する。経口投与から点滴静注500mgに切り替える場合、同じ1日用量・投与回数で1回量を15分かけて点滴静脈内投与する。経口投与に先立ち点滴静注500mgを投与する場合、1日1000mgを1日2回に分け、1回量を15分かけて点滴静脈内投与する。

 

類薬には、ラミクタール、マイスタン、エクセグランなどがある。再審査期間は、イーケプラ錠250mg・同500mg・同ドライシロップ50%は4年、同点滴静注500mgは残余期間の2020年7月3日まで。未承認薬等検討会議の開発要請品目。

海外では、同効能・効果について世界82カ国・地域で承認されている。

 

リスパダール錠1mg同錠2mg同細粒1%同OD錠0.5mg同OD錠1mg同OD錠2mg同内用液1mg/mL(ヤンセンファーマ):有効成分のリスペリドンを含有し、小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の効能・効果を追加する。

 

用法・用量は、体重15~20kg未満の場合、1日1回0.25mgから開始し、4日目より1日0.5mgを1日2回に分けて経口投与する。体重20kg以上の患者の場合、1日1回0.5mgから開始し、4日目より1日1mgを1日2回に分けて経口投与する。

 

類薬には、小児の自閉症障害等の効能・効果を持つ薬剤としてオーラップがある。再審査期間は4年。未承認薬等検討会議の開発要請品目。海外では、自閉スペクトラム症に関連する効能・効果で米国等16カ国・地域で承認されている。

 

サインバルタカプセル20mg同30mg(塩野義製薬):有効成分のデュロキセチン塩酸塩を含有し、慢性腰痛症の効能・効果を追加する。用法・用量は、1日1回朝食後60mgを経口投与する。投与量は1日20mgより開始し、1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。

 

再審査期間は4年。海外では米国など29カ国・地域で承認されているが、欧州では11年11月に欧州医薬品庁から慢性腰痛症に対するベネフィット・リスクに否定的な見解が示され、同効能では承認されていない。

 

この日の部会では複数委員から、サインバルタの副作用に自殺リスクがあるとして、精神科の専門医以外の整形外科医などによる処方が広がることに懸念が示され、承認に慎重な意見も出たが、多数決で承認が了承された。

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出典:薬事日報

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