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「ヴィキラックス」に死亡例‐添付文書改訂

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省はC型慢性肝炎治療薬「ヴィキラックス配合錠」に急性腎不全での死亡例がみられたことから、重大な副作用として添付文書の「使用上の注意」を改めるよう指示を出しました。このほか、特発性肺線維症治療薬「オフェブカプセル」、多発性硬化症治療薬「イムセラカプセル」「ジレニアカプセル」、子宮収縮薬「アトニン-O注」などの添付文書改訂も指示されています。

厚生労働省は5日、アッヴィのC型慢性肝炎治療薬「ヴィキラックス配合錠」(一般名:オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル)に重大な副作用として死亡例が見られたことなどから、添付文書の「使用上の注意」を改めるよう同社に指示した。

 

ヴィキラックス配合錠については、使用上の注意の「重大な副作用」の項に「急性腎不全」を追記するよう指示。また、「重要な基本的注意」の項に、投与開始前後に腎機能検査を行うと共に、腎機能が低下している患者およびカルシウム拮抗剤を併用している患者への十分な観察と、異常が見られた場合の投与中止を注意喚起した。

 

医薬品医療機器総合機構(PMDA)の報告書によると、国内の直近3年間で集積した急性腎不全に関連した14症例のうち、因果関係が否定できない症例が9件で、死亡症例が1件確認された。今回、国内症例が集積し、専門委員の意見を踏まえて添付文書の改訂が適切と判断した。

 

また、日本ベーリンガーインゲルハイムの特発性肺線維症治療薬「オフェブカプセル」(一般名:ニンテダニブエタンスルホン酸塩)については、血小板減少に関連した症例が5件報告され、うち、因果関係が否定できない死亡症例が1件確認されたことから、重大な副作用の項に「血小板減少」を追記するよう指示した。

 

一方、田辺三菱製薬の多発性硬化症治療薬「イムセラカプセル」、ノバルティスファーマの「ジレニアカプセル」(一般名:フィンゴリモド塩酸塩)について、海外の臨床試験で一次性進行型多発性硬化症に伴う身体的障害に対する有効性が確認できなかったことから、「効能・効果に関連する使用上の注意」の項に、海外の臨床試験で一次性進行型多発性硬化症に伴う身体的障害を進行抑制する効果は示されなかったとの報告があることを追記し、「その他の注意」の項にも同様の内容に改訂するよう求めた。

 

このほか、あすか製薬の子宮収縮薬「アトニン-O注」(一般名:オキシトシン)など7品目の重大な副作用の項と、マルホの尋常性ざ瘡治療薬「ベピオゲル2.5%」(一般名:過酸化ベンゾイル)など3品目の重要な基本的注意の項を改訂するよう指示した。

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出典:薬事日報

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