薬剤師会

「調剤」は薬剤師の仕事‐松原日医副会長発言へ反論

薬+読 編集部からのコメント

日本医師会の松原副会長が「調剤も医業の範疇に含まれる」といった趣旨の発言をしたという一部報道に対し、日本薬剤師会が反論しました。山本会長は調剤について、「少なくとも薬剤師の仕事だと思っている」と強調したとのことです。

日本薬剤師会は3日の定例会見で、一部報道で日本医師会の松原謙二副会長が「医業」の範疇に「調剤」も含まれているといった趣旨の発言をし、医師の指示のもとであれば、診療所の看護師など薬剤師以外の職種が一部の調剤行為を行っても問題ないとの認識を示したことについて反論した。

 

日薬の石井甲一副会長は、1984年3月9日の政府答弁書(社会党の網岡雄衆院議員が質問主意書を提出)と同年6月28日の衆院社会労働委員会で旧厚生省・正木馨薬務局長の答弁内容との関係について説明した。

 

答弁書では、「調剤」について、医師自身が行うことを原則とする旨を定めているが、調剤には種々の過程が含まれており、医師等が個別具体的な指示を与え、調剤行為の「本質的でない部分」を代行させるような場合には、「規定の趣旨に反しない」としている。

 

しかし、正木局長は委員会の答弁で、調剤行為の「本質的でない部分」は、あくまで薬袋に患者の名前を書くなどの補助的な行為に限定されると説明したという。

 

一方、「本質的な部分」については、▽処方箋の監査▽疑義照会▽薬剤の確認▽秤量▽混合▽分割▽薬袋や薬札のチェック▽薬剤の監査▽服薬指導――などを挙げており、石井氏は「日薬もこの考え方に沿っている。医師が支持すれば何でもやっていいというわけではない」と述べた。

 

山本信夫会長は、「投薬は医行為」としながら、調剤については「少なくとも薬剤師の仕事だと思っている」と強調した。

 

また、山本氏は、厚生労働省の「健康情報拠点薬局のあり方に関する検討会」で議論が進められている「健康づくり支援薬局」(仮称)の具体的要件に、「衛生材料等の取り扱い」が設定されなかったことについて、「理解に苦しむ」とコメントした。

 

山本氏は、薬局が医療提供施設になったことで、地域での医薬品の供給拠点と併せて「医療材料、衛生材料を供給することを期待されている部分はある」とし、「そのことに対して期待に応えていく必要があるのではないか」と述べた。

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出典:薬事日報

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