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【薬ゼミ自己採点調査】薬剤師国試、平均正答率70%超え‐禁忌肢導入の影響は限定的

薬+読 編集部からのコメント

第104回薬剤師国家試験の薬学ゼミナールによる自己採点調査をまとめると…

●自己採点システムの利用者は1万2012人(3/1時点、受験者数は1万4297人)
 →新卒者8851人の平均点は248.5点
●平均総合正答率が70.5%と70%を突破する可能性
●足切りにかかる学生は少ないと予想
●初導入「禁忌肢」の影響は限定的

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難易度は前回より低下

 

2月23、24日に実施された第104回薬剤師国家試験で、薬剤師国家試験予備校大手「医学アカデミー薬学ゼミナール」が全受験者を対象に実施した自己採点の結果、平均総合正答率が70.5%と70%を突破する可能性が出てきたことが明らかになった。第103回の平均正答率66.1%に比べ4ポイント以上上昇するなど、問題の難易度が低くなったと見られ、特に必須問題は得点しやすい基礎的な事項の出題が多く、足切りにかかる学生は少ないと予想する。今回の薬剤師国試では、薬剤師にすべきでない受験者を識別するため、間違って一定数以上選択した場合に自動的に不合格となる「禁忌肢」が初めて導入され、10問程度あったと見られるが、複数問を選択している受験者はほとんどおらず、影響は限定的のようだ。

 


薬剤師国試には1万5797人が出願し、1万4297人が受験した。薬ゼミ自己採点システムでは、1日時点で1万2012人が採点を行い、新卒者8851人の平均点は248.5点であり、225点(正答率65%)以上得点した新卒受験者は7426人に上ると予想した。

 

必須問題は、平易からやや平易の難易度に該当する問題が多く、平均正答率が85.9%と前回の78.7%から大きく上昇。既出問題のほぼ再出題や既出問題の知識を応用する問題などが多く出題され、解きやすかったと見られており、足切りにかかる学生は少なそうだ。

 

理論問題は、第103回と同様にやや難易度が高い問題となり、平均正答率は前回より2.2ポイント高い58.5%となった。実験考察問題や計算問題、グラフや図を用いた問題も多く出題され、科目別に見ると、「化学」は正答率31.8%と多くの学生が苦戦し、「物理・化学・生物」では45.2%と3年連続で50%を下回った。

 

また、106回から適応される「新出題基準」や「改訂コアカリ」を意識した科目の壁を超えた連問など、「総合的な力」や「考える力」が必要な問題が継続して出題された。第103回では物理と生物の2連問が出題されたが、今回は物理、生物、化学、衛生の4連問となり、科目の知識を横断した学修や総合的な力が求められた。

 

実践問題は、「中等からやや難」の難易度となったが、正答率は前回から3.8ポイント増の69.6%に上昇した。理論問題と同様、実践問題でも薬剤・薬理・実務の4連問が出題された。直下型地震での災害医療チーム「JMAT」やボランティアなど薬剤師の地震発生後の活動について問う問題、豪雨災害での避難所での薬剤師の対応を問う問題などが出題された。

 

各科目の正答率では、生物が前回より上昇したが、物理が52.7%とやや下回り、化学が49.7%と50%を割り込み、「物理・化学・生物」の合計では57.0%と前回から2ポイント低下した。「衛生」「薬理」「法規・制度・倫理」「実務」は70%台と高得点となっていた。

 

薬ゼミの木暮喜久子学長は、「病院・薬局の外でも薬剤師としての職能を発揮すべき災害時医療のシチュエーションも出題され、より『問題解決能力』『医療現場での実践力』を必要とする問題が出題されていた。実務実習で体験してほしい『代表的な8疾患』の問題は103回より多く出題され、臨床能力を問う問題が増加していた」と分析している。

 

なお、合格発表は25日に行われる予定。

 

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出典:薬事日報

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