創薬・臨床試験

一時金、総額1000億円超‐レンビマで大型契約

薬+読 編集部からのコメント

エーザイ(日本)とメルク(米国)は、抗癌剤「レンビマ」のグローバルな共同開発・販促に関する戦略的提携で合意しました。
エーザイがメルクから受け取る一時金は、メルクが3年に渡って使えるオプション権と、契約時の一時金を合わせると、最大で約1010億円の大型提携になるとの事です。
両者はエーザイのレンビマとメルク販売のキイトルーダの併用について共同開発を進める予定です。

米メルクと戦略的提携

 

エーザイと米メルクは、抗癌剤「レンビマ」の全世界における共同開発・販促に関する戦略的提携で合意した。エーザイがメルクから受け取る一時金は契約時の3億ドル、2020年までの3年間にわたってメルクが行使するオプション権に対する一時金を含めれば、最大9億5000万ドル(約1010億円)に達する大型契約となる。両社は、エーザイが創製したレンビマとメルクが販売する抗PD-1抗体「キイトルーダ」の併用療法で共同開発を進め、米FDAからブレークスルーセラピー指定を受けている腎細胞癌のほか、6種類の癌腫で11の治療法に対する承認申請試験、特定の癌で同定されたバイオマーカーから癌腫横断的に適応症を探索する「バスケット試験」を実施し、新規適応症の早期取得を目指す考えだ。


両社は、レンビマの単剤療法、キイトルーダとの併用療法で、複数の癌腫に対する共同開発・販促を行う。レンビマに関する売上収益は、エーザイが計上し、開発・マーケティング費用と粗利益を両社で折半する。

 

エーザイは、契約一時金のほか、メルクから研究開発費の償還として4億5000万ドルを受け取り、肝細胞癌や腎細胞癌等の承認取得時の開発マイルストンとして最大3億8500万ドル、販売に応じたマイルストンとして最大39億7000万ドルを受領する内容となっており、最大総額57億6000万ドル(約6140億円)に上る可能性がある。20年度までは契約一時金と研究開発費の償還、開発マイルストンの一部の受領を計画し、21年度以降に販売マイルストンが加わる見通しだ。

 

レンビマとキイトルーダの併用療法は、七つの癌腫を対象とした第Ib/II相試験で、転移性腎細胞癌や子宮内膜癌などに対して、単剤療法を上回る顕著な相乗効果を示唆する結果が得られており、今回の発展的な契約につながった。今後、両社が協力して、FDAからブレークスルーセラピー指定を取得済みの腎細胞癌に対しては早期承認取得を目指した試験、さらに子宮内膜癌、頭頸部癌、膀胱癌、非小細胞肺癌、メラノーマ、肝細胞癌の六つの癌腫に対して、1次療法、2次療法といった11の治療法を対象とした開発を進めていく。また、複数の癌腫に対するバスケット試験を同時並行で進行し、適応症を探索し、多くの癌腫での適応拡大を加速させていきたい考え。

 

一方、レンビマの価値最大化に向けて、共同販促も行う。単剤療法では甲状腺癌や肝細胞癌、エベロリムスとの併用療法では腎細胞癌の2次療法とグローバルで処方されているが、エーザイが全世界に保有するメディカルアフェアーズ約140人、癌領域担当MR約540人の体制に、メルクとの共同販促体制で処方拡大を目指していく。全ての適応症を取得し、メルクの販売網を活用することによって患者へのアクセスが拡大できれば、ピーク時売上高が5000億円水準に到達できると見ている。

 

エーザイは、今回の契約で得た原資によって、後期開発段階に入った次世代型アルツハイマー病治療薬の開発資金に充てられる。内藤晴夫CEOは8日に開催した記者会見で、「20年度まで平均営業利益1000億円が可能になり、20年度目標の達成確度が向上した」と自信を示した。

 

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出典:薬事日報

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