漢方

慶大・渡辺教授、胃癌患者に「六君子湯」‐入院費106億円削減

薬+読 編集部からのコメント

慶應義塾大学の渡辺賢治教授が癌患者に「六君子湯」を投与することにより、入院医療費が年間106億1000万円削減されるという推計を明らかにしたというニュース。「漢方薬と西洋医学を組み合わせることによって、治療効果の向上や病気の予防を比較的安価に実現できる」と訴えています。

漢方産業化推進研究会の渡辺賢治代表理事(慶應義塾大学環境情報学部兼医学部教授)は、漢方薬における医療費削減効果について、胃癌患者に「六君子湯」を投与することにより、入院医療費が年間106億1000万円削減されるとした推計を明らかにした。超党派の「薬用作物(薬草)栽培推進議員連盟」の会合で示した。

 

渡辺氏は、慶大病院で大腸癌の術後の腸閉塞合併予防に「大建中湯」を使用した結果、在院日数が平均3.5日短縮されたことを報告した。同剤の使用によって、日本の医療費全体で推計73億2000万円の入院費が削減できるとした上で、胃癌や婦人科系の癌の手術後も投与されていることを踏まえると、「医療費削減効果はさらに高い」とした。

 

抗インフルエンザ薬と解熱時間の効果が同等である「麻黄湯」についても、年間のインフルエンザ患者数の25%に当たる300万人程度を、同剤に切り替えることで、97億円の削減効果があると説明した。

 

渡辺氏は、漢方薬によって、西洋医学との組み合わせによる治療効果の向上や病気にならないための予防などを「比較的安価な費用で実現できる」と強調。さらに、「重篤な患者の状態を改善する上で不可欠」とし、「一部の漢方薬を保険から外すことで、かえって日本の医療費を圧迫するような事態は避けてほしい」と訴えた。

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出典:薬事日報

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