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結腸・直腸癌治療薬など‐新薬2品目の承認・一変了承

薬+読 編集部からのコメント

2017年2月3日(金)、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は結腸・直腸癌治療薬「ザルトラップ」の承認と、セルジーンの多発性骨髄腫治療薬「レブラミド」の一部変更承認を審議し了承しました。「ザルトラップ」の投与はオキサリプラチンを含む化学療法歴を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌(CRC)患者ということです。

薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は3日、サノフィの結腸・直腸癌治療薬「ザルトラップ」の承認と、セルジーンの多発性骨髄腫治療薬「レブラミド」の一部変更承認を審議し了承した。

 

 

審議品目

 

ザルトラップ点滴静注100mg、同点滴静注200mg(サノフィ):新有効成分のアフリベルセプトベータ(遺伝子組み換え)を含有し、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を効能・効果とする。

 

同剤は、血管新生や血管形成に関与する増殖因子(VEGF)との結合を阻害することにより、腫瘍の血管新生を阻害し、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。

 

投与の対象となるのは、オキサリプラチンを含む化学療法歴を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌(CRC)患者。用法・用量は、イリノテカン塩酸塩水和物、レボホリナートおよびフルオロウラシルとの併用において、通常、成人には2週間に1回、1回4mg/kg(体重)を60分かけて点滴静注する。

 

臨床上の位置づけとしては、セカンドライン以降での治療選択肢の一つになる。類薬には、アバスチン、サイラムザ、アービタックスなどがある。

 

再審査期間は8年。海外では、CRCの適応で72の国または地域で承認されている。

 

レブラミドカプセル2.5mg、同カプセル5mg(セルジーン):有効成分のレナリドミド水和物を含有し、「再発または難治性の成人T細胞白血病リンパ腫」の効能・効果を追加する。

 

同剤はサリドマイドの誘導体として開発されたもの。サリドマイドと同様にアポトーシス誘導、腫瘍壊死因子(TNF)-α等のサイトカイン産生抑制、Tリンパ球およびナチュラルキラー細胞の活性化、血管新生抑制などの作用を有し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。用法・用量は、1日1回25mgを連日経口投与する。

 

希少疾病用医薬品で、厚生労働省の調査では、成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)の国内推計患者数は2000人とされている。

 

再審査期間は10年。海外ではATLLを対象とした開発は行われていない。

 

 

報告品目

 

オゼックス細粒小児用15%(富山化学):有効成分のトスフロキサシントシル酸塩水和物を含有し、適応菌種に「肺炎マイコプラズマ」を追加する。

 

同剤は、ニューキノロン系の抗生物質。国内の診療ガイドラインでは、小児のマイコプラズマ肺炎治療に対して、マクロライド系抗菌薬(クラリスロマイシンなど)が第一選択薬として推奨されているが、近年、マクロライド低感受性株の分離頻度の上昇が報告されており、小児のマクロライド系薬剤が無効のマイコプラズマ肺炎に対するニューキノロン系薬剤の開発を進めていた。

 

再審査期間なし。

 

 

1件をオーファン指定

 

また同部会は、ノバルティスファーマのカナキヌマブを希少疾病用医薬品に指定することを了承した。

 

同剤の予定する効能・効果は、全身型若年性特発性関節炎(SJIA)。同疾患は、2週間以上続く弛張熱に加え、一過性の紅斑、全身のリンパ節腫張、肝肥大、脾肥大、または漿膜炎のいずれか一つ以上の症候を伴う関節炎と定義され、推定患者数は1200~5400人程度。

 

重篤で時に致死的なマクロファージ活性化症候群(MAS)の合併が見られ、SJIA患者の死亡率は10~14%と他の病型に比べて高い。

 

既存薬のトシリズマブ(遺伝子組み換え)は、適応患者が限られており、IL-1βに対するヒト免疫グロブリンG1(IgG1)モノクローナル抗体で、異なる作用機序を持つ同剤の医療上の必要性は高いと判断。

 

2013年に米国、欧州で承認されており、国内でも有効性・安全性の評価を目的とした試験が実施中で、開発の可能性も高いとしている。

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出典:薬事日報

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