薬剤師会

肺癌維持療法で「イミフィンジ」‐新薬等3件を審議・了承

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が4月末に新たに新薬など3点を了承しました。
審議品目はイミフィンジ点滴静注120mg、同500mg(アストラゼネカ)、ヌーカラ皮下注用100mg(グラクソ・スミスクライン)、アイセントレス錠600mg(MSD)、報告品目はインフリキシマブBS点滴静注用100mg「ファイザー」(ファイザー)、オプジーボ点滴静注20mg、同100mg(小野薬品)、ヤーボイ点滴静注液50mg(ブリストル・マイヤーズスクイブ)です。

薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は4月25日、アストラゼネカの抗PD-L1抗体「イミフィンジ」など3件の承認を審議し、了承した。

 

審議品目

 

イミフィンジ点滴静注120mg、同500mg(アストラゼネカ):新有効成分のデュルバルマブ(遺伝子組み換え)を含有し、「切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法」を効能・効果とする。

免疫チェックポイント阻害剤で非小細胞肺癌の適応を持つオプジーボ、キイトルーダ、テセントリクは、切除不能な進行・再発のケースに用いるが、同剤は位置づけが異なり、白金系抗癌剤を用いた化学放射線療法後に疾患進行が認められなかった非小細胞肺癌患者の「維持療法」として用いる。

用法・用量は、1回10mg/kgを2週間間隔で点滴静注し、投与期間の上限は12カ月までとする。

再審査期間は8年。海外では、米国で18年2月に承認されており、欧州では2017年8月に承認申請されている。

 

ヌーカラ皮下注用100mg(グラクソ・スミスクライン):有効成分のメポリズマブ(遺伝子組み換え)を含有し、「既存治療で効果不十分な好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」の効能・効果を追加する。

同剤は、気管支喘息の治療薬として承認されており、適応を追加する「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)」は、喘息や副鼻腔炎などに伴う小血管の血管炎を特徴とし、諸臓器に障害が生じることで予後不良となる難治性疾患。

標準療法として、ステロイド剤と免疫抑制剤が用いられているが、長期使用時の安全性が懸念されているため、新たな治療選択肢となることが期待される。同剤はEGPAに対する初の抗体薬で、投与対象は約560人と推定されている。承認条件として前例調査が付いた。

希少疾病用医薬品で再審査期間は10年。海外では米国で17年12月に承認されている。

 

アイセントレス錠600mg(MSD):有効成分のラルテグラビルカリウムを含有するHIV感染症治療薬で、新たに600mgの剤形を追加して新用量を設定した。

既に承認されている400mg錠は、1日2回の用法・用量だが、1日1回服用の併用薬に合わせて、1日1回で済む600mg錠を開発した。

希少疾病用医薬品。再審査期間は6年と1日。海外では17年10月時点で、34の国・地域で承認されている。

 

報告品目

 

インフリキシマブBS点滴静注用100mg「ファイザー」(ファイザー):有効成分のインフリキシマブ(遺伝子組み換え)〔インフリキシマブ後続3〕を含有し、既存治療で不十分な「関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」「尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」「中等度から重度の活動期にあるクローン病、外瘻を有するクローン病の治療および維持療法」「中等症から重度の潰瘍性大腸炎」を効能・効果とする。

抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体「レミケード」のバイオ後続品だが、再審査期間等の影響で先行品と異なり、「ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎」「強直性脊椎炎」「腸管型・神経型・血管型のベーチェット病」「川崎病の急性期」の効能・効果が取得できない。

再審査期間はなし。海外では18年2月現在、米国で承認されている。

 

オプジーボ点滴静注20mg、同100mg(小野薬品)、ヤーボイ点滴静注液50mg(ブリストル・マイヤーズスクイブ):オプジーボが有効成分のニボルマブ(遺伝子組み換え)、ヤーボイが有効成分のイピリマブ(遺伝子組み換え)を含有し、効能・効果の「根治切除不能な悪性黒色腫」に対する併用療法に伴う新たな用法・用量を追加する。

抗PD-1抗体のオプジーボ、抗CTLA-4抗体のヤーボイという作用機序が異なる癌免疫療法薬を組み合わせるもので、化学療法未治療の患者に対し、体重1kg当たりオプジーボは1mg、ヤーボイは3mgを3週間間隔で4回投与する。その後、オプジーボのみ3mgを2週間間隔で投与する。

希少疾病用医薬品。再審査期間は、ヤーボイが25年7月2日、オプジーボが24年7月3日まで。

海外では、両剤の併用療法が18年1月現在、57の国・地域で承認されている。

 

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出典:薬事日報

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