薬機法

薬局の機能・役割、議論すべき‐委員から意見相次ぐ

薬+読 編集部からのコメント

厚労省は、薬機法見直しに向けた議論の中で「薬局・薬剤師のあり方」を挙げ、「薬局の持つ機能を整理して役割分担を進めるべき」「服薬指導後の継続的な服薬状況の把握や指導について」などが提起されました。

薬機法への規定は検討課題

 

厚生労働省は9月28日、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会を開き、約2カ月ぶりに薬機法の見直しに向けた議論を再開した。厚労省は、これまでの議論を踏まえ、「法改正との関係性が深く、さらに検討が必要なもの」を整理した資料を提示。「薬局・薬剤師のあり方」では、薬局が持つべき機能の整理と法令上の規定を含めた位置づけや、薬局の管理者と開設者の責務が果たされるための仕組み・方策の検討などを挙げた。委員からは、「薬局・薬剤師が果たすべき役割や機能を議論すべき」との意見が相次いだが、薬局が持つべき機能をどこまで明確化し、それらを薬機法で規定するかどうかについては、今後の検討課題となった。


 

検討テーマの一つになっている「薬局・薬剤師のあり方」では、地域包括ケアシステムの構築に資する医療提供を行う一員として、医療機関や他職種と連携してかかりつけ薬剤師・薬局が適切な役割を果たすには「薬局が持つべき様々な機能を整理し、役割分担・連携を進めるべきではないか」と提案。

 

また、「薬局では、薬剤交付時にのみ服薬指導を行うことがほとんどだが、その後の服薬期間中の継続的な服薬状況の把握や指導等についてどのように考えるか」と提起した。

 

調剤時の対面による服薬指導が薬機法上、義務化されている中でのオンライン服薬指導の位置づけや、薬局の組織ガバナンス確保に向け、「同一法人が複数の薬局を開設している場合に関係者が責務を果たすことを促すための措置」などについて検討を促した。

 

花井十伍委員(特定非営利活動法人ネットワーク医療と人権理事)は、今回の法改正で「議論すべきなのは、薬局の種類。ユーザーからすると全部薬局が同じに見えるが実態は違っている」とし、それぞれの薬局がどういう機能を持っているのか「分かるようにしてもらいたい」と主張。

 

ただ、医療法上の特定機能病院のように、薬局の機能を定めるためには、「薬剤師の役割の議論が必要」になることから、年内のスケジュールに間に合うのかについて懸念を示した。

 

山口育子委員(ささえあい医療人権センターCOML理事長)は、「患者のための薬局ビジョン」や「健康サポート薬局」に触れ、「要件を満たした薬局は実際に機能しているが、調剤しかやっていない薬局もある。機能によってある程度分けるような議論をしっかりする必要がある」とした。

 

厚労省医薬・生活衛生局の鳥井陽一総務課長は、「薬局が持つ様々な機能を整理することは、まさに議論していただきたい事項の一つ」とし、それらの機能を薬機法で規定する方向が「望ましいということになれば、鋭意検討する流れになる」と説明した。

 

厚労省は今後、10月に1回、11月に2回のペースで会合を開き、12月をメドに意見を取りまとめるスケジュールを説明。機能分化を含めた「薬局・薬剤師のあり方」は、残り3回の会議で方向性が示されることとなる。

 

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出典:薬事日報

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