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GW特別企画「医薬品の売上データで振り返る平成時代」

薬+読 編集部からのコメント

もうすぐ幕を閉じる平成時代。戦争こそなかったものの、多くの震災や災害には見舞われた30年でした。時代を読み取る切り口は様々ですが、今回は新元号「令和」を記念して、医薬品データの売り上げランキング(薬事日報ニュース)をもとに平成の30年間を振り返ってみたいと思います。

4月1日の新元号発表以来、マイナビ薬剤師の閲覧数ランキングは宮城県大崎市の「株式会社REIWA」様が不動の1位をキープし続けています。そんな例を出すまでもなく、医薬品データを一つとっても、「その時代ならでは」のエッセンスが詰まっているもの。

この30年間で国内発売の製品群も抗生物質→生活習慣病薬→バイオ薬品と大きな変化を遂げました。
なお、製品売上高データはIQVIAがまとめたものを基にさせていただいております。

【平成21990)年のトップ3

①ケフラール(塩野義製薬)

②アダラート(バイエル薬品)

③ユーエフティ(大鵬薬品)

 

前年(平成元年)は1月の昭和天皇崩御に伴う改元、4月の消費税の導入(3%)、中国の天安門事件、ドイツの「ベルリンの壁」が崩壊し東西冷戦が終結など、激動の年でした。

いよいよバブルが崩壊した平成2年の国内医療品の売上高トップは塩野義製薬のセフェム系抗生物質『ケフラール』でした。

塩野義製薬といえば、反射的に同社提供の人気音楽番組『シオノギ・ミュージックフェア』(フジテレビ)を思い出す方も多いことでしょぅが、当時の司会は女優の古手川祐子さんでしたね。

この頃はまだ医療用医薬品を主力とする国内企業が群雄割拠の400社以上が存在し、まだまだ抗生物質が主力の時代でした。

 

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【平成122000)年のトップ3

①メバチロン(三共=現・第一三共)

②ガスター(山之内製薬=現・アステラス製薬)

③ノルバスク(米・ファイザー)

 

ノストラダムスの大予言が外れたと思ったら、今度はミレニアム問題に戦々恐々としていたのが平成12(2000)年。

医薬業界は米英日仏独中の国際チームが「ヒトゲノム」のドラフト配列を決定する歴史的成果とともに「ゲノム創薬」の時代が到来しました。そんななか、平成7(1995)年に続き、国内売上高トップの座をキープしたのが三共(現・第一三共)のHMG-CoA還元酵素阻害剤『メバチロン』でしたね。

三共は5年後の2005年に第一製薬との統合で「第一三共」になりました。また2位の『ガスター』を販売する山之内製薬も2005年に藤沢薬品との合併で「アステラス製薬」に。

ガスター自体は2017年に「LTLファーマ」に譲渡されています。この辺りにも時代の変遷を感じます。


【平成172005)年のトップ3

①ブロプレス(武田薬品)

②ノルバスク(米・ファイザー)

③ディオバン(スイス・ノバルティスファーマ)

 

自民党が記録的圧勝。「郵政解散」など小泉旋風が吹き荒れたのが平成17(2005)年でした。

国内製薬業界にも合併、統合など再編の嵐が吹き荒れました。そんななか、国内売上高でトップに立ったのは武田薬品のARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤)である『ブロプレス』でした。

平成11(1999)年の販売開始以来、高血圧症患者に広く処方され、わずか6年で国内トップに輝きました。

国内トップ3のうち、2製品がARB、そして上位に高血圧、高脂血症の治療剤が並んだのです。

 


【平成222010)年のトップ3

①ブロプレス(武田薬品)

②ディオバン(スイス・ノバルティスファーマ)

③アリセプト(エーザイ)

 

日本初、衆院選挙を経て野党による政権交代が実現し、民主党政権が誕生した平成22(2010)年。

国内市場は万有製薬とシェリング・プラウが統合してMSDが誕生。一方で政府の強力な後発品使用促進策を背景に、後発品事業への企業参入が活発化しました。

さらにはデジタルカメラの本格普及により、本来のフイルム事業が下火となっていた富士フイルムが、総合商社の三菱商事、医薬品卸の東邦薬品と合弁会社「富士フイルムファーマ」を設立し、異業種からの後発品事業への参入を表明。

国内外の企業が入り乱れつつの混戦模様で、新たな市場環境を生み出すに至りました。そんななか、2005年に続いてトップの座を維持したのが武田薬品の「ブロプレス」でした。

ARB人気健在を示しましたが、2位の『ディオバン』(ノバルティスファーマ)が臨床研究データの不正で社会問題を引き起こすなど、激しい競合による「負の側面」をもたらしたことも忘れてはなりません…。

 


【平成272015)年のトップ3

①ハーボニー(米・ギリアド・サイエンシズ)

②アバスチン(中外製薬)

③プラビックス(仏・サノフィ)

 

たった4年前なのか? もう4年前なのか?の判断は難しいところですが、医薬品産業にとって大きな変換期となったのが平成27(2015)年。

画期的なC型肝炎薬『ハーボニー』(ギリアド・サイエンシズ)の台頭です。厄介なC型肝炎に対して、リバビリンを併用せず、3か月間、1日1回1錠を服用するだけで、ほぼ治癒する画期的な新薬でした。

同じくギリアド・サイエンシズの発売の『ソバルディ』も、インターフェロンを必要とせずにリバビリンとの併用で使用できるとあって4位に入りました。

1錠8万円のハーボニーと、1錠6万円のソバルディという高額製品の人気は、国の医療費に影響を与えるほどの大幅な薬剤費増にもつながり、すぐ後に高額薬剤の問題が急浮上したのも、この2製品が大きなきっかけになったと言われています。

 

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出典:薬事日報

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