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米ファイザーが1.2兆円で米アレイを買収~低分子抗がん剤を獲得

薬+読 編集部からのコメント

米製薬大手・ファイザーが米アレイ・バイオファーマを買収する見込みです。買収額は日本円で約1兆2210億円。ファイザーは、2016年にもがん領域に強い米メディベーションを買収しており、今回の買収によってアレイが保有する低分子抗がん剤を獲得し、がん領域の製品ポートフォリオを強化したい考えだとみられます。

米ファイザーは、米アレイ・バイオファーマを114億ドル(約1兆2210億円)で買収すると発表した。ファイザーはアレイが保有する低分子抗癌剤を獲得し、癌領域の製品ポートフォリオを強化したい考え。ファイザーによる癌領域に強い企業の買収では、2016年に約140億ドル(約1兆5000億円)で米メディベーションを獲得していたが、さらに今回1兆円超の金額を投じてアレイを手中に収めた。


アレイは、癌抗原に特異的な低分子抗癌剤の研究開発に強いバイオ企業。既にBRAF阻害剤「ビラフトビ」(一般名:エンコラフェニブ)と「メクトビ」(一般名:ビニメチニブ)は、BRAF変異の悪性黒色腫適応でグローバルで承認を取得しており、日本では小野薬品に販売権を導出している。

 

両剤の併用療法が主力で、様々なBRAF変異の固形癌への適応拡大を目指し、現在30以上の臨床試験が進行中である。その中でも、BRAFV600E変異の転移性大腸癌に対するビラフトビとメクトビ、KRAS阻害剤「セツキシマブ」の3剤併用療法は、米FDAから画期的新薬指定を取得しており、今後売上が拡大すると見られる。

 

他社との共同開発品では、独バイエルとの共同開発でNTRK融合蛋白質が発現した固形癌を適応とした経口抗癌剤「ラロトレクチニブ」が昨年11月に米国承認を取得しているほか、第III相試験段階にはMEK阻害剤「セルメチニブ」や抗体医薬品が標的としているHER2に特異的な低分子阻害剤「トカチニブ」など8品目が控える。

 

ファイザーの18年業績で癌領域売上高は、乳癌治療薬「イブランス」が牽引し、前期比19%増の72億ドルと拡大している。16年のメディベーション買収は、前立腺癌治療薬「エンザルタミド」(米国製品名:エクスタンディ)という大型製品を獲得し、前立腺癌や乳癌のフランチャイズを拡充する狙いがあった。今回は経口低分子抗癌剤を保有するアレイを傘下に入れ、固形癌での品揃えを強化する。

 

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出典:薬事日報

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