薬機法

薬機法改正案は継続審議に~成立遅れによる影響懸念も

薬+読 編集部からのコメント

薬機法改正に向けて審議が続けられていますが、継続審査となり秋の臨時国会以降での成立を目指すこととなりました。とくに法案成立の遅れによる影響が懸念されるのが「テレビ電話等による服薬指導」。2018年4月の診療報酬改定でオンライン診療に対する評価が新設されましたが、現行の薬機法では服薬指導は対面で行うことが義務付けられるため、テレビ電話等による服薬指導に対し一定のルールを設ける必要があります。厚労省は「何としてでも秋の臨時国会での成立」を目指すとしています。

先の通常国会に提出されていた医薬品医療機器等法(薬機法)改正案は継続審査となり、秋の臨時国会以降での成立を目指すこととなった。薬機法改正案のうち、診療報酬上の評価と関係してくる「テレビ電話等による服薬指導」や「薬局の機能別認定制度の導入」などは法案成立の遅れに伴う影響が懸念されるため、厚生労働省は「何としても秋の臨時国会での成立を」と意気込む。ただ、95歳まで生きるには年金以外に夫婦で2000万円が必要と試算した金融庁の報告書問題などがくすぶり続ければ、臨時国会での審議に影響が出たり、国会そのものが召集されない可能性もあり、予断を許さない状況だ。

 

■遠隔服薬指導、前提整わず‐薬局機能別表示、実績評価に影響

改正案には、▽医薬品、医療機器等をより安全・迅速・効率的に提供するための開発から市販後までの制度改善▽薬剤師・薬局のあり方の見直し▽法令遵守体制の整備▽医薬品等行政評価・監視委員会の設置――など多岐にわたる事項が盛り込まれているが、まず、法案成立の遅れによる影響が懸念されるのがテレビ電話等による服薬指導だ。

 

2018年4月の診療報酬でオンライン診療に対する評価が新設されたが、現行の薬機法では、薬剤師による服薬指導は対面で行うことが義務づけられているため、服薬指導における対面義務の例外として、一定のルール下でテレビ電話による服薬指導を規定する必要がある。

 

政府は、服薬指導を含めた「オンラインでの医療」全体の充実に向け、「20年度以降の診療報酬改定での評価」を求めているが、法改正で対面の原則の例外が外れなければ、実施するための前提が整わず、20年度改定でオンライン診療に服薬指導が加わることができなくなる。

 

薬局の機能別認定制度は、「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」ともに、構造設備や業務体制に加え、機能を適切に発揮していることを実績により確認するため、都道府県知事による1年ごとの更新制とする建て付けになっている。いずれの薬局も初回は、1年間の実績を確認することになっているため、公布から施行までの期間を2年としている。具体的な評価は22年度診療報酬改定で行うことが想定されるが、秋の臨時国会での法案成立はまさにギリギリのタイミングといえる。

 

実績については、「地域支援体制加算」や「かかりつけ薬剤師指導料」などの算定要件が反映されることが予想されるため、地域に根ざした取り組みを行っている薬剤師・薬局にとっては難しいことではないが、調剤報酬改定ごとに準備をしている薬局は慌ただしくなるかもしれない。

 

薬剤師・薬局のあり方の見直しは、医師の働き方改革を進めるための他職種へのタスク・シフティングの議論とも連動している。

 

調剤後の患者フォローの義務化や、薬局の機能別認定制度の導入同制度といった、医療機関の医師と薬剤師が連携して地域に移行する患者をしっかりフォローすることを趣旨とした制度の見直しが進んでいなければ、業務移管の議論とうまく連動しなくなることも予想される。

 

■先駆け法制化、海外も注目‐厚労省、今秋の法案成立目指す

「先駆け審査指定制度」「条件付き早期承認制度」の法制化への影響はどうか。いずれの制度も課長通知による運用で「試行」の意味合いが強い。国会審議を経た上で、米国食品医薬品局(FDA)のブレイクスルーセラピー制度のように法律に規定され、国としてしっかり取り組むということが明確化されれば、企業の予見性を高めることにもつながる。

 

実際、海外の企業も二つの制度が法制化されるかどうかについて「注目している」(厚労省幹部)といい、お試しの運用ではなく、法律に基づいた継続的な運用にして企業側の開発を支援し、医薬品・医療機器をいち早く患者のもとに届けるためにも、早期の法案成立が必要ということになる。

 

添付文書情報の原則電子化は、ペーパーレス化によるコスト削減だけではなく、国内外で医療現場が本当に必要としている最新情報をタイムリーに提供できるようにすることがが改正の趣旨だ。

 

医薬品・医療機器の開発がグローバルに展開する中、世界的にも添付文書の最新版の情報提供を電子的に行ためのシステム整備が検討されている状況だという。特に革新的な医薬品は、安全性に関する情報が迅速に現場に届けられなければならない。世界的な動きに歩調を合わせることができれば、製品コストへの跳ね返りを少なくすることにもつながる。

 

システム整備には時間がかかるため、法案成立が「1、2年遅れると嫌な感じだが、半年くらいなら大きな影響は出ない」(厚労省幹部)ようだ。

 

ただ、仮に臨時国会でも法案成立にこぎ着けられなかった場合、来年の通常国会での成立を目指すことになる。今回のように予算関連法案の審議が優先されてしまうと、スケジュールがタイトになり、法案審議の時間を確保できなくなってしまう可能性もある。

 

厚労省は「何としてでも秋の臨時国会での成立」を目指している。

 

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出典:薬事日報

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