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ヒヤリ・ハット8万件に迫る~疑義照会関連が6割超に

薬+読 編集部からのコメント

日本医療機能評価機構が公表した2018年の薬局ヒヤリ・ハット事例の集計結果によりますと、昨年のヒヤリ・ハット報告件数が薬局における事例、医療機関で発生した処方の誤りを薬局で発見した疑義照会関連の事例、ともに過去最多を記録。同機構は、その要因を昨年の調剤報酬改定により、施設基準として医療安全の取り組み実績を求める地域支援体制加算の新設などが、報告件数の大幅増に影響しているとの見方をしています。

日本医療機能評価機構は9月30日、2018年の薬局ヒヤリ・ハット事例をまとめた集計結果を公表した。昨年の薬局におけるヒヤリ・ハット事例の報告件数は7万9973件と8万件に迫った。そのうち、医療機関で発生した処方の誤りを薬局で発見した疑義照会関連の事例が、前年から約4万8800件と大幅増の5万1030件となった。いずれも過去最多で、同機構は「2018年度の調剤報酬改定で、施設基準として医療安全の取り組み実績を求める地域支援体制加算の新設などが報告件数の大幅増に影響した」との見方を示している。

 

18年に同事業に参加した薬局数は3万3083軒(前年比2万1683軒増)、報告件数は7万9973件(同7万3889件増)だった。報告されたヒヤリ・ハット事例を見ると、調剤関連が前年から2万4892件増の2万8715件(報告件数全体の35.9%)だった。内訳は、薬剤取り違えが6342件、数量間違いが6124件、規格・剤形間違いが6024件の順に多かった。

 

調剤関連事例の発生要因は、「確認を怠った」が2万5413件、「勤務状況が繁忙だった」が1万0031件、「医薬品」が4568件の順だった。

 

一方、疑義照会関連は5万1030件(63.8%)で、前年から4万8796件増加し、全体に占める割合も36.7%から大幅に伸びた。

 

同機構は、疑義照会関連が大幅に増加した理由として、薬剤師の安全に対する意識が高まっていることや18年度調剤報酬改定での地域支援体制加算の新設などを挙げている。

 

疑義照会に関する項目では、仮に変更前の処方の通りに服用した場合、患者に健康被害があったと推測される事例が3万6872件(72.3%)、患者に健康被害が生じなかったが医師の意図した薬効が得られなかったと推測される事例が1万4158件(27.7%)だった。変更内容については、薬剤変更が1万6811件、薬剤削除が1万6192件、用量変更が7823件の順だった。

 

疑義照会関連事例の発生要因は、「ヒューマンファクター」が1万5316件、「その他」が1万1461件、「確認を怠った」が8861件だった。

 

調剤関連事例で報告された医療用医薬品は、「アムロジピン錠、同OD錠」771回、「ロキソプロフェンナトリウムテープ」432回、「ロスバスタチン錠、同OD錠」356件の順に多かった。

 

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出典:薬事日報

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