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19年一般薬市場は1.8%増~鼻炎薬のスイッチOTC好調

薬+読 編集部からのコメント

国内最大規模のマーケット調査会社・富士経済(本社・東京都中央区)の調査・分析によりますと、2019年の一般用医薬品の全体市場は、18年市場と比べて1.8%の増加を見込んでいます。8カテゴリー36品目にわたる調査結果をまとめた同社が挙げる注目市場は「スイッチOTCが牽引し好調」として「鼻炎治療剤(内服)、点鼻薬」だそうです。また今後の見通しについては、医療用医薬品で多くの処方実績が見られた「フルナーゼ点鼻薬」(グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン)が一般用医薬品としての承認を取得したことから、発売後の大きな需要獲得が予測されています。

富士経済は、国内一般用医薬品の全体市場などについて調査・分析した結果を公表した。それによると、2019年の一般用医薬品の全体市場は、18年市場と比べて1.8%の増加を見込んだ。また同社は、感冒関連用薬、アレルギー用薬、生活習慣病関連用薬、外皮用薬、毛髪用薬、生活改善薬、環境衛生用薬、眼科用薬の8カテゴリー36品目の調査結果をまとめ、注目市場には「スイッチOTCが牽引し好調」として「鼻炎治療剤(内服)、点鼻薬」を挙げた。


国内一般用医薬品の全体市場などについては、今回調査した8カテゴリー36品目と共に、19年データブックの第1弾にまとめた9カテゴリー40品目の調査結果を追加し、調査・分析したもの。

 

調査結果の概要によると、一般用医薬品の18年全体市場は6652億円で、19年見込みは1.8%増の6769億円とした。

 

18年市場をカテゴリー別に見ると、ビタミン剤ではビタミンB2主薬製剤やしみ改善薬(ビタミンC主薬製剤を含む)といった美容関連がインバウンド需要の恩恵もあり好調だった。滋養強壮保健薬も、造血剤が積極的なプロモーションによって薬効認知が向上して前年比で二桁増となった。

 

胃腸・消化器官用薬は、便秘薬が酸化マグネシウム配合製品の実績増で伸長。ドリンク剤は市場縮小が続いているものの、製品面でのテコ入れにより底打ち感も見られるようになっている。

 

感冒関連用薬では、総合感冒薬がパーソナルユースの症状別製品の好調で、解熱鎮痛剤が高付加価値製品の投入やインバウンド需要により、それぞれ伸びた。アレルギー用薬では、鼻炎治療剤(内服)と点鼻薬がスイッチOTCの実績増や花粉飛散量の増加によって高い伸びを示した。

 

外皮用薬については、気候要因によって鎮痒剤や乾燥皮膚用薬、あかぎれ用薬など季節商材が苦戦を強いられたが、皮膚治療薬は新たな使用シーンを提案する新製品の実績が上乗せされて伸長した。

 

一方、19年データブック第2弾によると、注目市場の鼻炎治療剤(内服)の19年市場見込みは224億円で、18年と比べて約21億円の増加。点鼻薬は71億円で4億円の増加と見通した。

 

鼻炎治療剤(内服)に関しては、花粉症患者の需要が大きく、市場は花粉の飛散量や飛散期間に左右されていたが、11年に「アレジオン10」(エスエス製薬)、12年に「アレグラFX」(久光製薬)がスイッチOTCとして発売され、取扱店舗が増加。店頭露出と認知度の高まりと共に、近年は拡大を続けている。18年市場は、花粉の飛散量も多かったことから大幅に拡大し、200億円を突破した。

 

点鼻薬の市場も花粉飛散の量や期間に左右されていたが、15年のオキシメタゾリン配合製品のリスク区分引き下げ(第1類から2類)と共に、展開企業が注力度を高めたことで需要開拓が進んだ。

 

今後は、医療用医薬品で多くの処方実績があった「フルナーゼ点鼻薬〈季節性アレルギー専用〉」(グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン)が一般用医薬品としての承認を取得したことから、発売後に大きな需要を獲得すると見通している。

 

 

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出典:薬事日報

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