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「ロラタジン」第1類へ~要指導薬1成分が移行

薬+読 編集部からのコメント

バイエル薬品の鼻炎用内服液「ロラタジン」について、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は、10月29日に要指導医薬品から第1類医薬品に移行しての製造販売することを了承しました。リスク評価について、出島参考人(京都第二赤十字病院副院長)も「副作用について、承認拒否事由に当たるリスクはない」との考えを示しています。また、持田製薬の繊維素溶解酵素剤「ウロキナーゼ」については、添付文書の「原則禁忌」の記載内容が「禁忌」項目へと移行されます。

薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は10月29日、バイエル薬品の鼻炎用内服薬「ロラタジン」(製品名:クラリチンEX、同OD錠)について、要指導医薬品から一般用医薬品の第1類医薬品に移行して製造販売することを了承した。


今回、企業から提出された製造販売後調査の中間報告を踏まえ、調査終了が見込まれるロラタジンについて、一般用医薬品として販売可能かどうかリスク評価を実施した。

 

その結果、製造販売を開始した2017年1月から2年半にわたる製造販売後調査の特別調査では、重篤副作用として血便排泄1件のほか、傾眠や口渇などの副作用が69例102件報告された。

 

また一般調査では、重篤な副作用として難聴、アナフィラキシーショック、アナフィラキシー反応が各1件、頭痛や口腔咽頭痛などの副作用が94例147件報告されたものの、安全性上問題となるような報告はないと判断。

 

出島健司参考人(京都第二赤十字病院副院長)からも「副作用について、承認拒否事由に当たるリスクはない」との考えが示されたことから、調査会では同剤を一般用医薬品の第1類として販売しても差し支えないとした。

 

ウロキナーゼを「禁忌」に

また、持田製薬の線維素溶解酵素剤「ウロキナーゼ」(ウロナーゼ静注用6万単位)について、添付文書の「原則禁忌」の記載内容を「禁忌」の項目に移行することも了承した。

 

現在の禁忌の記載内容と同様であると判断されたことを踏まえた対応で、厚生労働省は、早期に改訂の指示を製造販売業者に発出したい考えだ。

 

同剤の添付文書では、原則禁忌の項目に「瞬時完成型の神経症状を呈する患者(脳塞栓である可能性が高い)」と記載されているが、禁忌の項目の「脳塞栓またはその疑いのある患者(出血性脳梗塞を起こすことがある)」と同様の内容であると判断され、原則禁忌の記載内容を削除する。

 

今回の添付文書改訂について、日本脳神経外科学会など関連学会が賛同しているほか、委員からも反対意見が出なかったため、添付文書の改訂を了承した。

 

 

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出典:薬事日報

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