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845億円の減損損失計上~パーキンソン薬開発遅れで

薬+読 編集部からのコメント

田辺三菱製薬は、2021年3月期中間決算(連結)で845億円の減損損失を計上。新型コロナウイルス感染症の拡大で、パーキンソン病を対象に海外で第III相試験段階にある「ND0612」(レボドパ/カルビドパ持続皮下注製剤)の開発が予定から1年半遅れると見込んだ影響です。同剤は22年度に欧米で上市する計画でしたが、第III相試験の被験者組み入れが予定通りに進まず、被験者組み入れ後に施設側から中止の申し入れがあるなど、開発計画に狂いが生じました。上市遅延の間に競合品が先に市場に登場し、後手を踏む影響を強く受けます。計画変更が余儀なくされ、欧米で23年度の同時申請、24年度上市を目指す計画へと見直しました。

田辺三菱製薬は、2021年3月期中間決算(連結)で845億円の減損損失を計上した。新型コロナウイルス感染症の拡大で、パーキンソン病を対象に海外で第III相試験段階にある「ND0612」(レボドパ/カルビドパ持続皮下注製剤)の開発が予定から1年半遅れると見込み、収益性の低下による同剤の無形資産(仕掛研究開発費)の減損損失を計上することになった。


22年度に欧米で上市する計画だったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けた。第III相試験の被験者組み入れが予定通りに進まず、被験者組み入れ後に施設側から中止の申し入れがあるなど、開発計画に狂いが生じた。

 

上市が遅れる間に競合品が先に市場に登場し、後手を踏む影響を強く受ける。18年時点ではピーク時売上500~800億円を見込んでいたが、収益性の低下は避けられない見込みとなった。

 

大幅な開発計画の見直しは2度目。以前は、欧州と米国で個別に開発を進めて18年度に承認申請、19年度に上市する予定だった。途中で仕切り直して欧米での同時開発体制に変更し、21年度申請、22年度上市を目指していた。

 

今回、この計画も変更せざるを得なくなり、欧米で23年度の同時申請、24年度上市を目指す計画へと見直した。

 

同剤は、持続皮下注投与によって血中レボドパ濃度を安定化させて、パーキンソン病患者の運動症状の改善を目指すもの。17年に約1240億円を投じて同剤を保有するイスラエルのニューロダームを買収して子会社化し、開発を進めてきた。

 

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出典:薬事日報

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