医療

遅れ目立つワクチン対応~接種補助の薬剤師確保急ぐ

薬+読 編集部からのコメント

高齢者向けの新型コロナ感染症ワクチンの接種が来月初めから開始されるのを受けて、各地域の薬剤師会は集団接種会場でのワクチン接種補助業務に協力する薬剤師の確保を急いでいます。しかし、ワクチン供給が遅れ、いまだに接種計画を定めることができていない自治体も多く、協力要請がないために薬剤師の確保で対応に苦慮しているなど課題も浮き彫りに。薬局薬剤師を対象とした優先接種も遅延しており、市区町村によっては高齢者接種が医療従事者よりも先行されてしまうため、感染リスクを危惧する声も上がっています。

協力要請がない地域も

来月初めから高齢者向けの新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種が開始されるのを受け、各地域の薬剤師会は集団接種会場でのワクチン接種補助業務に協力する薬剤師の確保を急いでいる。4月12日から本格的な接種がスタートする福島県郡山市は、約90人の薬剤師を確保。研修機会を提供し、バイアルからシリンジにワクチンを充填する手技など技術向上を図っている。ただ、ワクチンの供給が遅れ、接種計画を定めることができていない自治体も多く、協力要請がないために薬剤師の確保で対応に苦慮しているなど課題も浮き彫りとなっている。


新型コロナウイルス感染症ワクチンの予防接種をめぐっては、▽医療従事者▽65歳以上の高齢者▽基礎疾患を持つ人▽高齢者施設の従事者▽上記以外の一般者――の順に実施される。政府は高齢者約3600万人の接種について、6月末までに2回分の配布を完了させる計画を打ち出す。

 

福島県内でも高齢者数が多い郡山市は、県から優先的にワクチンが配分され、4月12日から接種を開始する。個別接種と集団接種の組み合わせで実施し、集団接種は市内の2会場を確保。薬剤師会にはワクチンの希釈・充填業務が要請されている。

 

郡山市は、1月に新型コロナウイルス感染症ワクチン接種の専門委員会を設立し、準備を進めてきた。委員会メンバーには郡山薬剤師会の志岐百合子会長も名を連ね、これまで5回の会議で接種会場の確保からワクチンの配送や接種スケジュール、集団接種に関する実施マニュアル作成や当日の運営方法を決めてきた。

 

集団接種は4月12~16日、5月6~8日に行われ、1会場につき3人の薬剤師を配置することで合意している。今月初めには、奥羽大学薬学部の協力でワクチン調製の技術研修会を開催し、注射剤の調製未経験者など32人が参加。シリンジ、注射針、バイアルの取り扱いや希釈、充填の手技について学んだ。

 

既に薬剤師約90人からワクチン接種への協力意向が示されている。12日の接種開始に向けて人員配置の調整を行っている段階だが、「まだ人数が足りていない」状況だ。

 

一方、宇都宮市はワクチンの供給が遅れ、高齢者向け接種の開始時期が当初より1カ月遅い5月の大型連休明けとなる見込み。宇都宮市薬剤師会は1月に市からの協力要請を受け、同月下旬からワクチンの希釈や充填業務に関する研修を実施。2月下旬には医療従事者向け先行接種に薬剤師が協力し、接種の流れを経験した。

 

集団接種は市内17会場で実施する。個別接種を実施する医療機関が増え、協力が必要な薬剤師の人数は100人程度に抑えられる見通し。

 

研修の開催数は15回を数え、会員の3分の2に相当する100人以上が参加するなど「人員はほぼ確保できた」(同市薬)という。現在は他市町村からの研修参加も受け入れている。

 

接種開始時期が1カ月ずれ込んだことで「時間が空いてしまうとせっかく身につけた技術を忘れてしまうため、4月中も研修を実施していきたい」との方向だ。

 

一方、多くの自治体では県から配分されるワクチンの供給量・供給計画が示されず、対応の遅れが目立つ。市区町村から協力要請が来ていない地域薬剤師会もあり、協力可能な薬剤師の募集すらかけられていない。

 

薬局薬剤師を対象とした優先接種も1カ月程度遅れており、市区町村によっては高齢者接種が医療従事者よりも先行して行われるため、感染リスクを危惧する声も上がっている。

 

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出典:薬事日報

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