医療

【オンライン資格確認】きょうから本格運用開始~患者同意で薬剤情報閲覧

薬+読 編集部からのコメント

マイナンバーカードが健康保険証として利用できる「オンライン資格確認等システム」が10月20日から本格運用が開始となります。医療機関や薬局において、患者さんの特定健診等情報や薬剤情報の閲覧が可能となるほか、来夏には手術、移植、透析、医療機関名といった項目への拡大、2023年1月にはオンライン資格確認等システムを基盤とした電子処方箋の仕組みも構築される予定です。今年3月に本格運用開始が予定されていましたが、医療機関・薬局の導入準備が進まず、システム不具合も確認されていたために先延ばしされていました。

患者が加入している公的医療保険の資格を確認でき、マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにする「オンライン資格確認等システム」がきょう20日から本格運用が開始となる。医療機関や薬局で患者の特定健診等情報や薬剤情報の閲覧が可能となるほか、来年夏には手術、移植、透析、医療機関名といった項目への拡大、2023年1月にはオンライン資格確認等システムを基盤とした電子処方箋の仕組みも構築される予定だ。将来的には訪問診療でのオンライン資格確認も計画している。

 

オンライン資格確認は、患者はマイナンバーカードで受診でき、医療機関・薬局は患者が加入している医療保険や自己負担限度額など直近の資格確認が行える。今年3月に本格運用を開始する予定だったが、医療機関・薬局の導入準備が進まず、システムの不具合も確認されたため先延ばしとなっていた。

 

医療機関や薬局の窓口に設置された顔認証付きカードリーダーで、マイナンバーカードの顔写真と窓口で撮影した本人の顔写真を照合して本人確認を行い、特定健診等情報・薬剤情報の閲覧に関する患者の意思もマイナンバーカードで確認できる。災害時には、マイナンバーカードを持っていない患者であっても薬剤情報、特定健診等情報の閲覧が可能となる。

 

さらにレセプト請求での導入メリットも期待できる。正しい資格情報の確認ができないことでレセプト請求後に返戻となるケースも見られたが、オンラインで即時に患者の保険資格を確認できるため、レセプトの返戻を回避でき、患者等への確認事務減少や未収金の減少につながる。

 

薬局が利用するに当たっては、顔認証付きカードリーダーと資格確認端末であるパソコンの導入と設定が必要になる。また、レセプトコンピュータや電子カルテシステム、調剤システムの改修と動作確認、院内や局内ネットワークの設定など通信環境も確かめる必要があり、厚労省はシステムベンダーへの相談や依頼を行うよう周知している。

 

政府は23年3月末に、全ての医療機関がマイナンバーカードを健康保険証として利用できる環境整備に対応し、ほとんどの住民がマイナンバーカードを保有する状況を目指している。現在、医療機関・薬局の顔認証付きカードリーダーの申し込み割合は全体の56%で、薬局単体で見ると80%まで増えた。

 

来年夏には国の医療機関・薬局で確認できる情報を薬剤情報・特定健診等情報から手術、移植、透析、医療機関名といった項目まで対象に含め、23年1月には電子処方箋の仕組みを構築し、薬剤情報共有のリアルタイム化(重複投薬の回避)を実現したい考え。

 

閲覧・活用できる健診等を拡大し、生活保護受給者に対する医療扶助の医療券・調剤券も23年度内にオンライン資格確認の対象にする方針。

 

将来的には、医療機関や薬局外の訪問診療におけるオンライン資格確認も検討する。

 

  • 薬剤師のための休日転職相談会
  • 薬剤師の転職・求人・募集はマイナビ薬剤師/5年連続満足度NO.1

<完全無料>転職やキャリアのご相談はマイナビ薬剤師へ

出典:薬事日報

ページトップへ