処方せん

オンライン服薬指導で紛糾~厚労省案に反発の声相次ぐ

薬+読 編集部からのコメント

11月30日に厚労省から改正省令案を公表され、意見募集を開始していた初回からのオンライン服薬指導を可能とする医薬品医療機器等法の一部改正に関する省令案に対し、規制改革推進会議の医療・介護ワーキンググループ委員から反発意見が相次ぎました。12月6日に開かれた同会議において、患者さんが初回からオンライン服薬指導を受けたい場合、薬局に処方箋をFAXして利用することは認めず、処方箋原本のみの取り扱いとしたことに、「オンライン診療・服薬指導の空洞化につながる」と反対意見が続出したものです。

規制改革推進会議の医療・介護ワーキンググループが6日に開かれ、委員からは厚生労働省が公表した初回からのオンライン服薬指導を可能とする医薬品医療機器等法の一部を改正する省令案に反発する意見が相次いだ。患者が初回からオンライン服薬指導を受けたい場合、薬局に処方箋をFAXして利用することは認めず、処方箋原本のみの取り扱いとしたことに、「オンライン診療・服薬指導の空洞化につながる」と反対意見が続出した。

 

初回からのオンライン服薬指導をめぐっては、昨年4月から新型コロナウイルスの感染拡大に伴う時限的・特例的措置として実施が可能となっている。ただ、薬機法では初回からの実施が認められておらず、先月30日に厚労省が改正省令案を公表し、意見募集を開始していた。

 

薬剤師の対面による服薬指導を原則とし、やむを得ない場合に限りオンライン服薬指導を認めるとする方向性については、一部の委員が「やむを得ない限りオンライン服薬指導を認めるということがそもそもおかしいのではないか」と発言。

 

中でもオンライン服薬指導を実施する際の処方箋の取り扱いに多くの疑義が出た。コロナ対応の時限的・特例的措置では、患者は薬局に処方箋をFAXすれば、初回からオンライン服薬指導を受けることが可能。ただ、厚労省案は処方箋原本のみを認め、処方箋のFAX送信を不可とする考え方を示しており、「受診から薬剤の受領までオンラインで完結するという方向性にも反するのではないか」との声が相次いだ。服薬指導計画を策定する必要性や薬剤師の研修受講を実施要件としたことにも多くの指摘が上がった。

 

牧島かれん規制改革相は、7日の閣議後会見で、「厚労省の対応案に異論が多かった。在宅でオンライン診療を受けた患者に、薬局に処方箋原本の持参を求めるなどコロナ特例の前の考え方に戻ろうとしていることなどについて、医療DXの流れに水を差すものとの懸念の声が相次いだ」と述べた上で、「年末の中間取りまとめに向けて厚労省としっかりと調整をしていきたい」との意向を示した。

 

“研究用”は販売自粛を――抗原キットで問題提起

 

また、この日の会議では、医薬品医療機器等法で未承認となっている研究用の抗原検査キットが検査目的で利用されている実態を踏まえ、薬局やドラッグストア、ネット通販サイトで研究用の抗原検査キットについて販売自粛を求めるよう厚労省に問題提起した。厚労省は研究用を販売する事業者への働きかけ等を行う事務連絡の発出に向けた準備を進めており、今後対応を調整する方針。

 

厚労省は先月19日、薬局における新型コロナウイルスの医療用抗原検査キットの販売について、薬局内での陳列や広告を行っても「差し支えない」とする事務連絡を都道府県に発出。ただ、「研究用」などと称する質が確保されていない薬機法未承認の抗原検査キットが薬局、ドラッグストア、ネット通販サイトなどで広く流通し、検査目的で利用されている実態が指摘されていた。

 

新型コロナウイルス感染症への緊急対応として、一般の人たちが抗原検査キットを、薬剤師の対面指導を要さず必要数量を必要に応じて店舗やネットで購入できるようOTC化を早期に進めること、薬局から抗原検査キット購入を希望する一般の人たちに署名を求める手続きも廃止するべきと提言した。

 

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出典:薬事日報

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