医療

ネット販売で遵守率低下~濫用恐れのある医薬品【厚生労働省】

薬+読 編集部からのコメント

9月16日、厚労省は2021年度「医薬品販売制度実態把握調査」(覆面調査)の結果を公表しました。濫用等の恐れのある医薬品を複数購入しようとした時に適切に対応した割合について、店舗での販売では8割を超えた一方、インターネットでの販売は7割を下回り、販売ルールの遵守で乖離が見られました。詳細については厚労省ホームページにてご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28008.html

店舗販売対応と乖離

厚生労働省は16日、2021年度「医薬品販売制度実態把握調査」(覆面調査)の結果を公表した。コデインやエフェドリンなど濫用等の恐れのある医薬品を複数購入しようとした時に適切に対応した割合が、店舗での販売では8割を超えた一方、インターネットでの販売は7割を下回り、販売ルールの遵守で乖離が見られた。厚労省は「濫用の恐れのある医薬品のインターネット販売について、薬局やインターネット事業者に販売ルールの遵守を徹底していく必要がある」としている。

 

調査は、薬局・薬店が店舗やインターネットで要指導医薬品や一般用医薬品が適正に販売されているかどうかを把握するため、調査員が消費者を装って実施。今回は3022店舗(薬局1204件、店舗販売業1818件)、インターネット販売サイト517件を対象に行った。

インターネット販売の調査結果では、多くの項目の遵守率が9割程度であったものの、コデイン(鎮咳去痰薬に限定)やエフェドリンなど濫用の恐れのある医薬品を複数購入しようとした時の対応について、「一つしか購入できなかった」が63.9%と2.5ポイント低下。「複数必要な理由を伝えたところ、購入できた」の3.1%と合わせて「販売方法が適切だった」が67.0%となった。

 

前年度はインターネット事業者に対する販売ルールを周知した結果、19年度の45.8%から72.8%と27ポイント上昇し、遵守率に改善が見られたが、21年度は5.8ポイントの低下となった。

 

一方、店舗販売の調査結果を見ると、濫用の恐れのある医薬品を複数購入しようとした際の対応として、「一つしか購入できなかった」が67.1%と6.7ポイント上昇。「複数必要な理由を伝えたところ、購入できた」の14.9%と合わせて82.0%が「販売方法が適切」となり、19年度の69.4%、前年度の73.3%から改善傾向が見られた。

 

第1類医薬品販売で文書による情報提供の有無については、「文書を用いて情報提供があった」が76.5%と前回から4.1ポイント改善した。第1類医薬品販売で情報提供された内容の理解を薬剤師が確認したかについては77.7%が「確認があった」とし、前年度から上昇した。

 

報告書では、インターネット販売で濫用などの恐れのある医薬品を複数購入しようとした時に「一つしか購入できなかった」際の好事例として、「プルダウン等でカートに一つしか入れられない仕様になっていた」と紹介。また、一定期間は連続して購入できない仕様になっていることも好事例として挙げている。

 

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出典:薬事日報

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