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販売中止理由、異例の説明~「エクセラーゼ配合錠」、最低薬価下回り供給困難

薬+読 編集部からのコメント

10月11日、Meiji Seikaファルマは、消化酵素製剤「エクセラーゼ配合錠」の販売中止理由を詳細に説明しました。販売数量の減少、局方収載品の最低薬価(10.10円)を下回る薬価である状況下では品質確保に対する投資や安定供給に向けた取り組みが困難などの点を挙げており、医療関係者からは、苦境に同情的な声や説明を評価する意見が出ています。

Meiji Seika ファルマは11日、消化酵素製剤「エクセラーゼ配合錠」の販売中止を医療関係者に伝える文書で、中止理由として販売数量の減少、局方収載品の最低薬価(10.10円)を下回る薬価であることなどの状況下では品質確保に対する投資、安定供給に向けた取り組みが困難などと背景を含めた説明を記載した。販売中止をする際は他社を含め文書には「諸般の事情」と記載するのがほとんどで、中止理由を詳細に説明するのは異例。SNS上では医療関係者から、苦境に同情的な声や説明を評価する意見が出ている。同社は「公表可能な事実を全て記したまでのこと」と説明している。

 

「エクセラーゼ配合錠」は1976年の薬価収載以来、40年以上にわたり「消化異常症状の改善」の効能で医療現場に提供されてきた。薬価は1錠5.70円。2023年12月で特約店への出荷を終了し、経過措置期間の満了は24年3月31日を予定している。

 

同剤の販売中止理由について、医療関係者向け文書に「新薬の登場による消化器疾患の薬物治療の進展に伴い、消化酵素製剤としての本製品の臨床上の位置づけが変化し、販売数量は近年減少の一途を辿っている。また、度重なる薬価改定により日本薬局方収載品の最低薬価(10.10円)をも下回る薬価(5.70円)まで下落し、僅少な売上規模となっている。このような状況下では、品質確保のための老朽化した施設の設備投資、新たな原薬調達先・製造委託先の探索といった安定供給に向けた取り組みを行うことが非常に難しくなっている」と背景を説明。

 

その上で、「今般あらゆる改善策を模索した結果、販売継続が困難と判断し、厚生労働省や関係学術団体に相談の上、販売を中止することになった」としている。

 

今年度に入ってからの同社の販売中止製品や、同日に販売中止を伝えた高血圧症治療薬「ロサルヒド配合錠『明治』」(出荷終了予定23年9月、経過措置期間満了予定24年3月31日)の中止理由も「諸般の事情」とされており、説明内容に大きな違いがある。

 

「エクセラーゼ配合錠」の販売中止理由を背景を含めて説明したことについて、同社は「公表可能な事実を全て記したまでのこと。販売中止等の理由については、複合的な要因で全て説明できないケースが多いため、今後も同様に詳細な記載をするかは事情による」(広報グループ)と回答した。

 

このような説明に至った経緯や、同日に販売中止を伝えた「ロサルヒド配合錠」との説明の違いの背景は開示していない。

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出典:薬事日報

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