医療

【日薬連調査】出荷停止・限定出荷4割に~後発品の供給状況悪化

薬+読 編集部からのコメント

12月5日、日本製薬団体連合会の調査結果によると、出荷停止・限定出荷となっている医療用医薬品が8月末時点で前年同期から1091品目増え、4234品目に上ることが分かりました。後発品約9000品目のうち、出荷停止・限定出荷状況にあるのは3808品目(41.0%)と4割を超えており、日薬連は、行政処分に伴う出荷停止によって、他社の同成分の品目に製造能力を越えた需要が発生し、限定出荷に至ったケースが多かったと分析しました。

出荷停止・限定出荷となっている医療用医薬品が8月末時点で前年同期から1091品目増え、4234品目に上ることが5日、日本製薬団体連合会の調査結果で明らかになった。後発品約9000品目のうち、出荷停止・限定出荷状況にあるのは3808品目(41.0%)と4割を超えていた。日薬連は、違法製造による業務停止などの行政処分に伴う出荷停止によって、他社の同成分の品目に製造能力を越えた需要が発生し、限定出荷に至ったケースが多かったと分析している。

調査は、安定確保委員会が実施し、前年と同様に8月末時点の出荷状況を品目数としてまとめたもの。223社から医療用薬の9割以上を網羅する1万5036品目の状況について回答があった。

 

その結果、何らかの出荷調整が行われている4234品目のうち、出荷停止は前年同期比356品目増の1099品目(後発品997品目)、限定出荷は735品目増の3135品(同2811品目)だった。後発品が9割を占めた。

 

限定出荷品目の増加分のうち、約9割の689品目は「他社品の影響」を受けた超過需要によるものだった。

 

その要因について同委員会は、出荷停止品目のうちの683品目が行政処分(7社)によるものだったことから、その出荷停止から波及して他社に超過需要が発生した結果、限定出荷が増加したと見ている。

 

限定出荷の「その他」の理由としては、▽新型コロナウイルスの感染拡大に伴う一過性の受注増:9件▽季節性製剤等の一過性の需要増(原因不明含む):3件▽日立物流西日本倉庫の火災:2件▽地震による被災:2件▽ウクライナ情勢による物流の影響:1件――との回答があった。

 

安定確保委員会の土屋直和委員長は同日に記者会見し、調査結果について「改善しているとは言えず、むしろ悪化している」との認識を示した。

 

一方、「自社事情」による限定出荷が665品目と前年同期から163品目減少した。土屋氏は「各社の製造・品質チェックが進み、品質トラブルが減っているためではないか」との見方を示した。

 

回答各社からは、国に安定供給策を求める意見も上がった。安定確保医薬品に対する薬価制度上の措置、長期的な安定供給の実現に向けた薬価制度の抜本的な見直し、為替変動・物価高騰下での安定供給にかかるコストの薬価制度上の措置等、サプライチェーンにかかる在庫備蓄、買い上げ等の支援、増産設備・設備更新投資支援などが見られた。

 

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出典:薬事日報

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