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第108回薬剤師国試は易化~平均正答率は近年最高に

2024年「第109回薬剤師国家試験」については、マイナビ薬剤師の国家試験概要ページで詳しい情報を紹介しています!

薬+読 編集部からのコメント

薬剤師国試予備校大手「医学アカデミーグループ薬学ゼミナール」が第108回薬剤師国家試験(2月18、19日)の全受験者を対象に自己採点を実施。その結果、2月27日現在で平均総合正答率は73.7%となり、近年では最も高い平均点となりました。近年に比べ高い平均点となったことについて、同ゼミの木暮喜久子学長は「暗記だけではなく、与えられた情報をもとに考えて解く問題が増加しており、受験生の頑張りも平均点アップに寄与していると考えられる」との見方を示しています。

薬ゼミが自己採点

2月18、19日に実施された第108回薬剤師国家試験で、薬剤師国試予備校大手「医学アカデミーグループ薬学ゼミナール」(薬ゼミ)が全受験者を対象に自己採点を実施した結果、同27日現在で平均総合正答率は73.7%となり、近年では最も高い平均点となった。全ての科目で臨床に関連した問題が多くなり、2024年度入学者から適用される改訂薬学教育モデル・コア・カリキュラムを反映した出題も見られた。

 

2月27日時点での「薬ゼミ自己採点システム」に入力した受験者1万1841人の集計を行ったところ、平均総合正答率は73.7%で、第106回の68.2%、第107回の68.6%に比べ、5~6ポイント上昇した。

 

必須問題は全体として第107回よりわずかに易化し、平均正答率は82.3%と2.3ポイント上昇した。難易度は基礎(物理・化学・生物)、衛生では中等、医療系領域、法規は平易となり、全体として得点しやすい問題とされたが、初めて症例・処方を用いた出題や多職種連携・チーム医療に関する問題が多く出題された。

 

理論問題の難易度は中等だったが、平均正答率は66.2%で、107回の60.9%から5.3ポイント上がった。既出レベルの問題も多く、回答しやすい問題も多かった。化学・生物・衛生による3連問「糖化ヘモグロビン(HbA1c)に関する問題」や、薬理・治療による連問も高血圧、心疾患といずれも「代表的8疾患」から出題され、科目間のつながりを考えさせる出題が継続している。局方改訂で追加された内容や感染者数の増加で話題になった梅毒など最新情報を学ぶ必要性を求められるなど「現場での即戦力」が問われた。

 

実践問題の平均正答率は73.9%で、第107回の67.1%から6.8ポイント上昇した。科目によって差はあるが、全体として他科目のつながりが意識できていれば平易と感じるものの、つながりが意識できていない場合は中等と感じる難易度となった。基礎(物理・化学・生物)の複合問題の実務では、薬剤師としての基本的な内容を問う問題が多かった。

 

しかし、複数疾患の合併症例・症候・患者からの聞き取り情報などから得られた患者個人の状態を考えて解く、改訂コアカリで入る「臨床薬学」の薬物治療の個別最適化に関する出題が多かった。

 

木暮喜久子学長は、「基本的な問題や既出問題を理解し学修することで正答が導ける問題も多かった」とした上で、「全ての科目で臨床につなげる問題が多く、臨床現場で求められる適切な情報を取捨選択し、判断する能力を問う問題や他職種と連携してチーム医療の実践力を問う問題など、良問が多かった」と総評した。

 

近年に比べ高い平均点となったことについては「暗記だけではなく、与えられた情報をもとに考えて解く問題が増加しており、受験生の頑張りも平均点アップに寄与していると考えられる」との見方を示している。

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出典:薬事日報

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