医療

零売の法的位置づけで同意~かかりつけ薬局が販売

薬+読 編集部からのコメント

厚労省の「医薬品の販売制度に関する検討会」(8月4日開催)において、零売(処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売)について、処方箋に基づく販売を基本とし、リスクの低い医療用医薬品の販売は、「やむを得ない場合」に限り薬局での販売を認めることを法律上位置づけることで概ね同意が得られました。また、要指導医薬品については「ネット販売を行わないこと」を前提にオンライン服薬指導を実施する方向で異論は出ませんでした。

厚生労働省の「医薬品の販売制度に関する検討会」が4日に開かれ、「処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売」(いわゆる零売)について、処方箋に基づく販売を基本とし、リスクの低い医療用医薬品の販売は、「やむを得ない場合」に限り薬局での販売を認めることを法律上位置づけることで概ね同意が得られた。販売に当たっては、患者が普段から利用しているかかりつけ薬局での販売、一時的に最小限度の量に限り販売することなどの要件を課すことなどで検討を進める。また、要指導医薬品についてはネット販売を行わないことを前提にオンライン服薬指導を実施する方向で異論が出なかった。

 

現在、医療用医薬品は「処方箋医薬品」と「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」に区分され、処方箋医薬品以外の医療用医薬品については通知により「やむを得ない場合に限り販売可」とされてきた。厚労省は、医薬品医療機器等法で位置づけられている「処方箋医薬品」を撤廃し、医師の処方を原則とする「医療用医薬品」として法律で位置づけ、正当な理由以外で薬局における医療用医薬品の販売を規制することを提案した。

 

さらに、通知で記載されている「やむを得ない場合」の医療用医薬品の販売について考え方を整理した。▽医師に処方され服用している医療用医薬品が不測の事態で患者の手元にない状況となり、かつ、診療を受けられない場合▽一般用医薬品で代用できない、もしくは、代用可能と考えられる一般用医薬品が容易に入手できない場合――とした。

 

販売に当たっては、かかりつけ薬局による販売、一時的にかかりつけの医療機関に受診するまでの間に必要な分に限り販売すること、適正な販売のために購入者の氏名等及び販売の状況を記録、受診している医療機関に報告することの要件を課すこととした。

 

構成員からは「やむを得ない場合に薬局が医療用医薬品を販売するのはレアケースだが、法令上の位置づけを明確化することは重要」など賛同する意見が相次いだ。ただ、末岡晶子構成員(森・濱田松本法律事務所)は、「かかりつけ薬局に限り販売することについては再考いただきたい。営業の自由に制限をかけることになる」と注文をつけたほか、中島真弓構成員(東京都福祉保健局健康安全部薬務課長)は、販売の要件に挙げられた「かかりつけ薬剤師の定義を明確化してほしい」と要望した。

 

一方、要指導医薬品のオンライン服薬指導についても概ね同意が得られた。オンライン服薬指導を行うことが適切でない品目は緊急避妊薬以外では挙げられなかった。一方、濫用の恐れのある医薬品については、山本正俊構成員(日本OTC医薬品協会事業活動戦略会議座長・薬制委員長)が「大包装しかない医薬品を小包装化したい」と述べ、業界として取り組みを進めていく意向を示した。

 

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出典:薬事日報

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