医療

休日夜間リスト化で温度差~会員のみ「算定不可」解釈

薬+読 編集部からのコメント

2024年度の調剤報酬改定で、地域支援体制加算、連携強化加算、在宅薬学総合体制加算の施設基準に薬局の体制に係る情報の周知に関する要件が明記されたことを受け、各地域の薬剤師会が非会員薬局への対応に頭を悩ませています。

2024年度調剤報酬改定で地域支援体制加算、連携強化加算、在宅薬学総合体制加算の施設基準に「地域薬剤師会等を通じて休日や夜間の対応薬局など地域住民に周知する」と明記されたことを受け、各地域薬剤師会は非会員薬局への対応に頭を悩ませている。厚生労働省が4月26日に示した疑義解釈では、地域薬剤師会が会員のみを対象に情報を整理・収集して公表している場合は「施設基準を満たさず算定不可」とし、会員・非会員の区別なく情報を整理する必要があることを示した。非会員である場合が多いチェーン薬局やドラッグストアの取り扱いをめぐっては、「手数料を徴収しリストに掲載する」といった手法も検討されているようだ。

 

 非会員の手数料徴収も

 

調剤報酬改定では、地域支援体制加算、連携強化加算、在宅薬学総合体制加算の施設基準で「地域の行政機関または薬剤師会等を通じて各加算の要件に示す情報を周知する」とされる中、非会員薬局の取り扱いが大きな課題となっていた。

 

今回の疑義解釈では、地域薬剤師会が会員のみを対象として情報を整理、収集して公表している場合は「加算の要件の対応として適切ではないため不可」との見解を示した。

 

その理由として、「地域の住民や行政機関、医療機関、訪問看護ステーション、福祉関係者等が情報を把握しやすいよう、地域の薬剤師会等の会員であるか非会員であるかを問わず、市町村や地区の単位で必要な情報を整理し、周知されている必要がある」と説明している。

 

チェーン薬局やドラッグストアは地域薬剤師会の非会員である場合が多く、薬剤師会を通じて周知する情報に非会員の薬局情報が整理されていなければ、同地域にある薬局は加算が受けられない可能性がある。

 

一部の地域薬剤師会では対応に動き出している。神奈川県の大和綾瀬薬剤師会は、調剤報酬改定の議論以前から会員・非会員を問わず緊急時や休日・夜間の医薬品提供体制の整備に向けた検討を進めており、休日・夜間における調剤や在宅業務、相談体制に関する情報をリスト化する。

 

4月24日から薬局情報の掲載を希望する管理薬剤師が非会員の薬局に対して専用登録フォームから受付を開始した。

 

「虚偽ない内容を掲載し、変更があれば直ちに報告する」などの誓約書の提出が要件になり、夜間休日に調剤の求めがあり、在宅業務の実施があった場合には速やかにその処方内容をメールで報告することも求めている。非会員は掲載料を支払う必要があるが、期日までに入会すれば掲載料は無料となる。

 

加藤久幸会長は「薬剤師会は医薬品供給の担い手であり、体制整備をするのが仕事だ。調剤報酬改定で地域支援体制加算の施設基準となったが、当会ではすぐに始められる」と話す。

 

都内の地域薬剤師会会長も「非会員のチェーン薬局やドラッグストアとは面会を行っており、会員になってもらうよう協力を求めている。非会員にはリスト掲載時に一時金や月々の手数料を徴収することを考えている」とした。

 

ただ、全国的に見ると、ホームページを作成していない地域薬剤師会が一定数あるなど対応に温度差がある。「非会員から手数料を徴収するとなると、B会員やC会員のような形態ができることにつながり、正会員が減少することになるのではないか」と懸念する声もある。

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出典:薬事日報

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