緊急性低い時間外調剤多く~厚労省 清原薬剤管理官「薬剤師に負担ない形へ」
厚生労働省保険局医療課の清原宏眞薬剤管理官は1日、札幌市内で開催された日本薬局学会学術総会で講演し、2026年度調剤報酬改定の方向性について、地域医薬品供給拠点や在宅、かかりつけ機能を評価した24年度改定の考え方を「基本的には維持していく」と語った。一方、緊急性の低い時間外調剤やかかりつけ薬剤師管理指導料、後発品調剤体制加算の評価については実態を踏まえて見直しを検討する必要性にも言及した。
清原氏は26年度改定の方向性について、▽24年度改定の方向性維持▽偏在是正▽分かりやすい報酬内容▽公的保険の適正配分――と四つのポイントを挙げた。在宅患者の休日対応は、解熱鎮痛薬や抗ウイルス薬、抗菌薬の調剤が多いとのデータを示した上で、薬局の開局時間外の時間における緊急性の低い調剤が多い点を指摘。「施設から緊急時に解熱鎮痛剤を届けてくれと言われて応じざるを得ないとの声を聞く。緊急ではないものは薬剤師の負担ができるだけない形にし、緊急なものだけを対応する施策ができないか考えている」と語った。
中央社会保険医療協議会で支払側委員から廃止を要望されている後発品調剤体制加算については、「(調剤割合が)9割まで来ているので促進策をどのように続けるかは考える必要がある」とした一方で、「なくすわけではなく、安定供給を維持する上で負担があるので、評価を継続的にしていかなくてはいけない」と一定の評価は必要との考えを示した。
その上で、同加算のあり方については、「地域医薬品供給拠点として薬局機能を評価した地域支援体制加算との関係も考える必要がある」とした。
一方、かかりつけ薬剤師指導料については、中医協で算定割合の低さが問題視されたが、算定薬局に対しても「ノルマのようになっている。本来のことがなされているのか」と疑義を呈した。「かかりつけ薬剤師として登録され、来局して調剤業務をすれば算定できるが、やったことに対し評価できるような形にしてはどうかと考えている。患者が実感できる形で評価をしていく」との考えを示した。
さらに、調剤報酬で薬剤師の偏在を是正していく方向性については、「偏在是正はかなり難しい話だが、地域偏在や薬局と病院の偏在は課題として残されている」と述べた。
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出典:薬事日報



薬+読 編集部からのコメント
厚労省保険局医療課の清原薬剤管理官は、2026年度調剤報酬改定の方向性について、2024年度改定の考え方を「基本的には維持していく」と語りました。一方で、緊急性の低い時間外調剤やかかりつけ薬剤師管理指導料、後発品調剤体制加算の評価については、実態を踏まえて見直しを検討する必要性にも言及しました。