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タブネオス、有効性検証されず ~ 新患投与中止と代替治療へ 厚生労働省

薬+読 編集部からのコメント

キッセイ薬品の顕微鏡的多発血管炎・多発血管炎性肉芽腫症治療剤「タブネオスカプセル」(一般名:アバコパン)について、厚生労働省は新規患者への投与開始を控えるよう求める方針を薬事審議会医薬品第二部会に示しました。

承認取消は年内判断

 

厚生労働省は21日、キッセイ薬品の顕微鏡的多発血管炎・多発血管炎性肉芽腫症治療剤「タブネオスカプセル」(一般名:アバコパン)について、新規患者への投与開始を控えるよう求める方針を薬事審議会医薬品第二部会に示した。承認申請の主要な根拠となった国際共同第III相試験の成績が信頼性の基準に適合せず、有効性を裏付ける根拠資料として扱うことは不適当と医薬品医療機器総合機構(PMDA)が判断。現時点で同剤による治療上の有益性がリスクを上回ると判断することは困難とし、患者保護の観点から対応する。

 


 

厚労省は部会の意見を踏まえ、日本医師会や日本薬剤師会など医療関係団体に通知で方針を示す。新規患者への投与開始を差し控えるほか、投与中の患者は症状、治療効果、他の治療選択肢、治療変更に伴う影響を踏まえ、代替治療への切り替えを検討するよう求める。切り替えまでの間など、使用を継続する場合は、5月に発出された安全性速報(ブルーレター)を踏まえた適正使用の継続を要請する。対象疾患は重篤な希少疾患であり、投与中の患者の治療変更については、症状や他の治療選択肢を踏まえて個別に判断する必要があるとした。

 

タブネオスは2021年に承認され、22年に販売開始した。承認時から重篤な肝機能障害が注意喚起されていたが、販売開始後に死亡例を含む重篤な症例の報告が集積し、因果関係が否定できない症例が確認されたため、5月にブルーレターが発出された。

 

承認申請の主な根拠となったのは、米ケモセントリクスが実施した国際共同第III相臨床試験「ADVOCATE試験」。欧米の規制当局から試験成績の信頼性に疑義が指摘され、欧州では8月に承認が取り消された。米国では4月に承認取り消しが勧告され、企業からの聴聞手続きが進められている。

 

国内では、厚労省が6月に医薬品医療機器等法に基づく報告命令をキッセイに発出。同社が7月に提出した回答書をPMDAが確認し、追加照会を重ねた上で今月19日に報告書を厚労省に提出した。

 

PMDAの報告によると、ADVOCATE試験では初回データベースロック後の解析で、主要評価項目である投与52週時の寛解維持について、タブネオス群の対照群に対する優越性が示されていなかった。その後、初回解析結果と各症例の治療割付を把握した非盲検担当者が、主要評価項目の再判定候補として9例を特定。外部専門家で構成する独立判定委員会が再判定し、その結果を反映した再解析結果が承認申請資料に最終解析結果として記載された。

 

独立判定委員会には、初回解析で優越性が示されなかったことや、非盲検担当者による候補症例の特定プロセス、判定変更を仮定した解析が行われていたことは説明されていなかった。承認申請資料にも、初回解析結果や候補症例の抽出過程、再判定依頼に至る一連の経緯が適切に記載されていなかった。

 

一方、21年の承認審査時の適合性調査では、キッセイと同席した米国の治験依頼者は、一連の再判定は手順に従って実施され、治験関係者の盲検性も維持されていたなどとPMDAに説明していた。厚労省は、今回判明した事実と当時の説明には齟齬があるとし、今後の行政手続きの中で事実関係を整理する考えを示した。

 

PMDAは、同試験の成績は承認申請資料の信頼性の基準に適合せず、有効性を裏付ける根拠資料として扱うことは不適当と判断。製造販売後に得られた情報などからも、有効性が検証されたと判断することは困難とした。

 

国内での承認取り消しについて厚労省は、現時点で結論は決まっておらず、法令上の要件や事実関係を確認し、年内を目標に承認取り消しを含む行政上の対応に関する手続きを進める考えを示した。

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出典:薬事日報

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