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7割の医薬品で承認書と違い‐一斉点検の結果を公表

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省は化学及血清療法研究所(化血研)が承認書に記載された方法と異なる製造実態を隠ぺいしていたことを受けて行った、一斉点検の結果を公表しました。その結果、全体の7割にあたる2万2297品目で承認書との違いが見られたとのことです。最も多かったのは承認書の誤字や脱字ですが、悪質な隠蔽などはみられなかったことから行政処分などは行わないということです。

品質・安全性には影響なし

 

厚生労働省は1日、化学及血清療法研究所(化血研)が承認書に記載された方法と異なる製造実態を隠ぺいしていたことを受け、国の承認書通りに製造されているか国内の医薬品製造販売業者が一斉点検した結果を公表した。点検を行った646社が製造販売する全ての医薬品3万2466品目のうち、全体の7割に当たる2万2297品目で承認書との違いが見られたことが判明したが、品質や安全性に影響を与えるような違いはなかった。厚労省は同日付で、都道府県を通じて法令遵守や再発防止の徹底を製造販売業者に求める通知を発出した。


 

一斉点検は、今年1~3月にかけて医薬品製造販売業者646社が製造販売している全ての医薬品3万2466品目を対象に、国の承認書通りに製造されているかどうか確認を行ったもの。その結果、479社の2万2297品目で軽微変更届出が必要な違いがあることが明らかになった。

 

承認書との違いの内訳を見ると、製造工程に問題はないものの、承認書に誤字や脱字が見られた医薬品が1万9307品目と最も多かった。次いで日本薬局方で認められている試験方法へ変更していた医薬品が6311品目、原料の仕入れ先変更や医薬品の製造委託先の名称変更について、承認書への更新が遅れた医薬品が5288品目だった。誤記が多かった要因について厚労省は「2005年の薬事法改正を受け、製造工程をより詳細に記載するよう変更されたことによる承認書への記載の誤りがあった」としている。

 

一方、承認書と違いがあった品目と製造販売業者の数は、2~10品目の違いがあった企業が164社で最も多く、次いで11~50品目が147社、300品目超の企業も5社あった。

 

厚労省は、承認書との違いが判明した品目を製造していた企業に対し、5月末までに承認事項の変更届を提出させ、違いは解消されたとしており、今後口頭注意などの行政指導を実施する。ただ、悪質な隠ぺいなどが見られなかったことから、行政処分や企業名の公表は行わない。

 

また同日付で、都道府県を通じて医薬品製造販売業者に対して、承認書と製造実態の照合を徹底すると共に、薬機法に基づく変更管理の適切な実施体制を構築すること、再発防止の徹底に努めるよう通知した。さらに、今後の査察の中で、今回の点検結果が適切であったかどうか確認すると共に、生物製剤を中心に抜き打ち検査を実施して監視体制を強めていく。

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出典:薬事日報

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