医療機器

C肝配合剤など7品目了承‐2品目、定数不足で審議できず

薬+読 編集部からのコメント

薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が7品目の承認・一部変更承認を審議し、了承したというニュース。同じ日に審議予定だった薬2品目は定足数が不足し、審議が行われなかったとのこと。厚生労働省は「臨時部会を開くなどして承認に影響が出ないよう対応したい」としています。

薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は5月28日、ギリアド・サイエンシズのC型慢性肝炎治療配合剤「ハーボニー」など7品目の承認・一部変更承認を審議し、了承した。ただ、審議予定だった大塚製薬工場の「オラネジン消毒液1・5%、同消毒用アプリケータ10mL、同25mL」、大鵬薬品の「ゾシン静注用2・25、同4・5、同配合点滴静注用バッグ4・5」については、委員の利益相反等が理由で定足数が不足し、議決できない状況となり、審議が行われなかった。厚生労働省は「承認に影響が出ないよう、臨時部会を開くなどして対応したい」としている。


 

ハーボニー配合錠(ギリアド・サイエンシズ):レジパスビルアセトン付加物とソホスブビルを有効成分として含有する新医療用配合剤。ジェノタイプ1型のC型慢性肝炎、C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善を効能・効果とする。

 

3月26日にソホスブビルがジェノタイプ2型のC型慢性肝炎を効能・効果に承認されているが、日本のC型慢性肝炎患者の7~8割がハーボニーの適応となるジェノタイプ1型とされている。類薬には、インターフェロンを併用しない経口薬として、ダクルインザ、スンベプラがある。

 

用法・用量は、1日1回1錠(レジパスビル90mgとソホスブビル400mg含有)を経口投与し、投与期間は12週間とする。再審査期間は8年。海外では欧米など34カ国で承認されている。

 

プラニケル錠200mg(サノフィ):有効成分のヒドロキシクロロキン硫酸塩を含有し、皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデスを効能・効果とする。国内ではクロロキンは1974年に製造中止となり、その誘導体であるプラニケルも現在は市販されていない。

 

ただ、1日6・5mg/kgを超えない用量で投与すれば、網膜障害を含む眼障害の発現可能性が低いことが明らかとなり、海外ではこの用量で長年にわたって臨床使用されている。こうした背景を踏まえ、厚労省の未承認薬等検討会議に要望書が提出され、2010年12月に開発要請がなされていたもの。

 

用法・用量は、200~400mgを1日1回食後に経口投与する。1日の投与量は、ブローカ式桂変法により求められる理想体重に基づき経口投与する。再審査期間は8年。海外では、世界70カ国以上で承認されている。

 

オフェブカプセル100mg同150mg(日本ベーリンガーインゲルハイム):有効成分のニンテダニブエタンスルホン酸塩を含有し、特発性肺線維症を効能・効果とする。類薬には、ピレスパがある。

 

用法・用量は、1回150mgを1日2回、朝と夕方に約12時間間隔で食後に経口投与する。11年9月に希少疾病用医薬品に指定されており、再審査期間は10年。海外では、米国では14年10月、欧州では今年1月に承認されている。

 

アコアラン静注用600(協和発酵キリン):有効成分のアンチトロンビンガンマ(遺伝子組み換え)を含有し、先天性アンチトロンビン欠乏に基づく血栓形成傾向、アンチトロンビン低下を伴う播種性血管内凝固症候群(DIC)を効能・効果とする。日本初の遺伝子組み換えアンチトロンビン製剤となる。

 

用法・用量は、先天性アンチトロンビン欠乏に基づく血栓形成傾向には、1日1回24~72国際単位/kgを投与する。DICには、1日1回36国際単位/kgを投与する。再審査期間は8年。海外承認はなく、他国での開発予定もない。

 

ヤーボイ点滴静注液50mg(ブリストル・マイヤーズ):有効成分のイピリムマブ(遺伝子組み換え)を含有し、根治切除不能な悪性黒色腫を効能・効果とするヒトCTLA‐4に対するヒト型モノクローナル抗体。類薬には、オプジーボ、ゼルボラフがある。

 

用法・用量は、1日1回3mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注する。13年に希少疾病用医薬品に指定されており、再審査期間は10年。海外では、世界51カ国・地域で承認されている。

 

ファリーダックカプセル10mg同15mg(ノバルティスファーマ):有効成分のパノビノスタット乳酸塩を含有し、再発・難治性の多発性骨髄腫を効能・効果とする。類薬には、サレド、レブラミド、ベルケイドなどがある。

 

用法・用量は、他の抗悪性腫瘍剤との併用において、1日1回20mgを週3回、2週間経口投与した後、9日間休薬する。この3週間を1サイクルとし、投与を繰り返す。14年9月に希少疾病用医薬品に指定されており、再審査期間は10年。海外では、米国で承認されている。

 

ベルケイド注射用3mg(ヤンセンファーマ):有効成分のボルテゾミブを含有し、マントル細胞リンパ腫の効能・効果を追加した。類薬には、フルダラ、ロイスタチンなどがある。

 

用法・用量は、未治療のマントル細胞リンパ腫に対しては、1日1回1・3mg/m2(体表面積)を1、4、8、11日目に静脈内投与した後、10日間休薬する。この3週間を1サイクルとし、6サイクルまで投与を繰り返す。最低72時間空けて投与する。

 

報告品目

 

また、この日の部会では、ベルケイド注射用3mgとの併用療法に用いる2品目の一部変更承認について報告を受けた。

 

注射用エンドキサン100mg同500mg(塩野義製薬):有効成分のシクロホスファミド水和物を含有し、マントル細胞リンパ腫の併用療法に使用できるように、効能・効果を悪性リンパ腫の自覚的・他覚的症状の緩解に変更。用量も変更した。

 

プレドニゾロン錠「タケダ」5mg同散「タケダ」1%(武田薬品)、プレドニン錠5mg(塩野義製薬):有効成分のプレドニゾロンを含有し、注射用エンドキサンと同様、マントル細胞リンパ腫の併用療法に使用できるように、効能・効果を悪性リンパ腫と類似疾患(近縁疾患)に変更。用量も変更した。

  • 薬剤師のための休日転職相談会
  • 薬剤師の転職・求人・募集はマイナビ薬剤師/5年連続満足度NO.1

<完全無料>転職やキャリアのご相談はマイナビ薬剤師へ

出典:薬事日報

ページトップへ