薬剤師会

e‐ラーニングを充実へ‐病院薬学認定薬剤師制度で

薬+読 編集部からのコメント

2015年度より、生涯研修認定制度に代わって「日病薬病院薬学認定薬剤師制度」が始まります。その全体的な方針や取り組み、病院薬剤師としてのあり方について、北田会長の考えが伝えられています。

北田会長が方針表明

日本病院薬剤師会の生涯研修認定制度に代わる仕組みとして2015年度から始まる「日病薬病院薬学認定薬剤師制度」について、地域による研修履修機会の格差を是正するため日病薬は、e‐ラーニングの積極的な活用を検討する。和歌山市内で24日に開かれた日病薬近畿ブロック会議で日病薬会長の北田光一氏はe‐ラーニングのコンテンツ充実に向けて準備を進める方針を表明した。


同制度は、薬剤師認定制度認証機構による第三者からの客観的な評価を得た、新たな生涯研修の仕組みとして15年度から実施される。カリキュラムに沿って3年間で50単位以上を取得した薬剤師を認定。その認定を6年ごとに更新する。必要な単位は、日病薬や各都道府県病薬が実施する研修会、e‐ラーニング、他団体の研修会などに参加して取得する。

 

都市部に比べ地方では研修会に参加しにくいという格差が生じるため、北田氏は「e‐ラーニングのコンテンツ充実は極めて重要。離島で研修会に出にくい方もいる」と強調。その準備を進める方針を示した。

 

また、日病薬主催各種研修会の地方開催回数を増やしてほしいとの要望については「現状の事務処理能力から今すぐに増やすのは難しい」と指摘し、各都道府県病薬での研修会充実を要望した。

 

新制度では、専門薬剤師制度の単位を併せて取得できなくなるが、北田氏は「この制度は、病院薬学の全般にわたってあらゆる領域の知識と経験を持った薬剤師を認定するもの。病院薬剤師のベースとして位置付けられる。その上に各領域に特化した認定薬剤師があり、さらに指導能力や研究能力を持った専門薬剤師を位置付ける3階建ての仕組みの1階部分になる。1階と2階、3階を共通の単位で認定するのはおかしい」と述べ、理解を求めた。

 

一方、来春の診療報酬改定について北田氏は、消費増税の延期によって診療報酬増の財源確保が厳しさを増す中、「厳しい状況にあるという共通認識を持ってほしい」と呼びかけた。

 

ただ、「何もしなければ将来は開けない。薬剤管理指導料は、入院調剤技術基本料からあれだけ展開し、今がある。今までの先輩の歩みを学び、次の展開を考えたい。きちっとした評価を受けられるエビデンスが求められている」と語った。

 

また、チーム医療の推進を背景に業務全体に包括的な点数を付ける傾向が強まり、各職種の業務に加算を付けることは難しくなってきているものの、「薬剤師として特化した業務がそこに入っているのであれば、薬剤師としての明記を要望していきたい」と話した。

 

このほか、外来患者に対する業務の診療報酬上の評価獲得について「外来でどのような業務が展開され、どういったメリットがあるのか、調査を続けてデータを作っていきたい。外来でのがん化学療法に対する評価獲得が一例として挙げられる。他の領域への展開を可能性として探っていきたい」と展望を示した。

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出典:薬事日報

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