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最新 薬剤師業界のTopicsをラク〜にまとめ読み 医薬NEWS超楽読

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薬剤師の毎日に役立つ情報をズバッと解説! 医薬業界の注目ニュースをラク~に読める本コーナー。今回はスペシャル編として5月19日(日)に東京・目黒区で開催されたイベント「第3回みんなで選ぶ薬局アワード」をレポートします。

「みんなで選ぶ薬局アワード」最優秀賞の薬局は?【イベントレポート】

Topics 1 今年で第3回を迎える“薬局アワード”とは?

一般の方々に薬局や薬剤師の能力や役割を今まで以上に知ってもらい、生活や健康づくりに役立ててほしい」というコンセプトで始まったのが「みんなで選ぶ薬局アワード」。今年で第3回目を迎えるこのイベントは、現役薬剤師としても活躍している竹中孝行さんが代表理事を務める一般社団法人薬局支援協会が主催しています。

「一般来場者は回を重ねるごとに増えていて、薬局や薬剤師への期待や関心が高まっていることを実感しています」と、薬局支援協会代表の竹中さん。第3回を迎える今回、会場の150席は満席。観覧申し込み者多数で、入場できない人が出るほどの盛況ぶり。来場者の内訳は、薬剤師が4割、医療関係者が2割、学生が1割、3割は一般の方となっていました。

同アワードには、ユニークな取り組みによって地域のコミュニティ作りや業務の効率化などに貢献している薬局が全国からエントリー。一次審査・二次審査を経て、最終的に、最も重視される「背景・思い」「患者視点」の2項目のほか「社会性」「再現性」「独創性」「将来性」の4項目において総合的に点数評価がされファイナリスト6組が選出。5月19日(日)の昼下がり、中目黒GTプラザホールにて行われた最終審査では、ファイナリスト6組の薬局が熱のこもったプレゼンをくり広げました。

Topics 2 審査員は豪華な顔ぶれ。マンガの医療原案を手がける富野さんも

写真手前から漫画『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』の医療原案を担当する富野浩充さん、株式会社マザーレンカ代表取締役の池田貴子さん、NPO法人がんノート代表理事・岸田徹さん

審査員をつとめたのは、東京薬科大学 情報教育研究センター教授・土橋朗さん、NPO法人がんノート代表理事の岸田徹さん、株式会社マザーレンカ代表取締役の池田貴子さんをはじめ、「薬読」でも特別公開中の漫画『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』の医療原案を担当する富野浩充さんも参加。豪華な顔ぶれが壇上のプレゼンテーターを真剣なまなざしで見つめ、審査にあたりました。

Topics 3 6組の薬局から「最優秀」「特別審査員賞」「オーディエンス賞」が決定

各薬局の代表者は、取り組みを始めたきっかけやそれによって生まれた薬局での変化などについて熱意あふれる10分間のプレゼンを行いました。ここからはそれぞれの取り組みについてご紹介していきます。

■【オール薬局】食や運動、健康相談ができる健康情報発信基地をオープン

「処方せんがなくても薬局に来てほしい」。そんな思いから生まれたのが、2019年4月22日(月)に広島県呉市にオープンしたヘルスケア複合施設「オールファーマシータウン」です。プレゼンターはオール薬局(広島県呉市)の佐々木拓也さん。地域住民が楽しみながら理想的な食事や運動を実体験できる場所となっています。

1階は健康に特化した商品やサービスを提供するローソンと介護相談窓口。2階は、タニタとコラボした『オールカフェ』をはじめ、血圧計や体組成計、睡眠などの計測機器を使って健康チェックできるスペースやフィットネスジムを併設。“健康づくりのハブ”のような施設としてにぎわい、子供からお年寄りまで幅広い年代に活用されています。

■【穴水あおば薬局】薬包とじ機「トジスト」で薬剤師の作業効率を改善

石川県鳳珠郡、穴水あおば薬局の岡田政彦さんは、薬包に穴を開けず、過熱もせず複数の薬をまとめられる針なしステープラー「トジスト」の開発秘話について熱弁。これまでステープラーを使用していた“薬包綴じ”の作業効率を改善するだけでなく、針を誤飲するリスクを減らしたり、テープや輪ゴムで止める手間を省いたり、針による袋が破損したりすることも防げるといいます。

「トジスト」で作った個包装のシート。横に力を加えると簡単にはがれて1回分がすぐに取り外せる。

何より、1回分の薬がまとまっているため、飲み忘れる可能性が減るのが患者さんにとってのメリット。まとめたい薬包を重ね、足踏みミシンのようなペダルを踏むだけで薬包が自動的に圧着されるので薬剤師の作業効率アップに貢献します。

■【エール薬局鴨井店】薬袋にプリントした子供の絵で薬の飲み忘れを防止

小児科の門前薬局であるエール薬局鴨居店(神奈川県横浜市)では、「どうしたら薬の飲み忘れがなくなるか」を考え、“薬袋”に着目したと松岡亮太郎さんは話します。

大阪の運送会社・宮田運輸では、子供が描いた絵をトラックにラッピングしたことで危険運転のリスクが大幅に減ったそう。この話をヒントに、薬局に来た子供たちに「お薬しっかり飲んでね」というテーマで絵を描いてもらい、薬局に展示。さらに、薬袋の裏面にプリントするサービスを始めました。

子供たちが一生懸命描いた絵をプリントした薬袋に薬を入れてご家族にお渡しすることにより、「週に1回程度飲み忘れがあった方でも飲み忘れがなくなった」と、アドヒアランスの向上に効果が表れているようです。

■【まごころ薬局】薬局に人が集まる仕掛け――コミュニティ作りが大成功!

「どんな薬局なら行きたくなるか」「面白い薬局とは何か」——こうしたオーナーの想いを追求し、地域住民を巻き込んで完成させたのが、まごころ薬局(兵庫県尼崎市)に併設したコミュニティスペース「まごころ茶屋」です。

オープンのための作戦会議から住民を巻き込んで開催したことで、薬局を中心とした地域のコミュニティが形成されていきました。まごころ茶屋の内装をはじめ、どんなイベントを開催するかまで、随所に地域住民の声が反映されています。「まごころ茶屋」のオープニングイベントでは地元の誰でも参加できるファッションショーを開催し、大好評だったと発表者の福田惇さんは嬉々として話します。

■【薬局・なくすりーな】薬剤師の健康サポート付き! 安価で安心な医療用医薬品の救急箱を開発

薬局・なくすりーな(茨城県古河市)では、患者さんの悩みに合わせて薬剤師が選んだ5種類の薬を各6回分詰め合わせた携帯用救急箱「ラクスリード」を月額1080円で提供しています。

市販薬はすぐに手に入るけど高額だし、病院で処方してもらう薬は安価で手に入るけど待ち時間が苦痛……。両者の隙間を埋める役割を果たすのが「ラクスリード」だと、発表者の吉田聡さんは話します。今年から使用を開始した10名のモニターにも評判は上々。使いたいときに薬が手元にある安心感を提供しているだけでなく、昨年より導入した「LINE@」を利用し、患者さんがいつでも薬剤師に相談できる仕組みも整えています。

■【まんまる薬局】非薬剤師の「ボランチ」が薬剤師と在宅医療をサポート

在宅医療に興味があるという薬剤師は少なからずいますが、一方で独居男性の自宅へ薬を届けるのは「不安」「怖い」という女性薬剤師も中にはいるでしょう。まんまる薬局(東京都板橋区)では薬剤師のそんな悩みも解消し、安心して在宅医療に取り組める環境が整っています。

元プロサッカー選手でもあるまんまる薬局・発表者の松岡光洋さんが考案したのが、薬剤師が在宅訪問する際に、非薬剤師が同行してサポートする「ボランチ制度」です。「ボランチ」とは、サッカーでミッドフィルダーに位置し守備的役割をしつつ、試合の流れをコントロールするという重要な役割を担う存在です。このことから「ボランチ制度」には、薬剤師の在宅業務を攻守ともに支えていくという意味合いが込められています。

まんまる薬局の非薬剤師は、輸液など重いものを運ぶ、車の運転をする、患者さんやその家族とのコミュニケーションを図るなど、さまざまな形で薬剤師をサポートします。同行者がいることで、薬剤師が単独で患者さんに向き合うという精神的な負担から解放され、仕事に集中できることも大きなメリットとなっています。

Topics 4 特別審査員8名と来場者の投票によって受賞薬局が決定!

6組の発表を聞いた来場者は、「行きたい!」「感動した!」と感じた2薬局に投票。来場者と8名の特別審査員による投票の結果、「最優秀賞」「審査員特別賞」「オーディエンス賞」が決定しました。

【最優秀賞】まごころ薬局(兵庫県尼崎市)
【審査員特別賞】エール薬局鴨居店(神奈川県横浜市)
【オーディエンス賞】薬局・なくすりーな(茨城県古河市)

受賞薬局には会場から惜しみない拍手がおくられ、3時間半にわたり開催された「第3回 みんなで選ぶ薬局アワード」は盛況のうちに幕を閉じました。受賞薬局のインタビューも配信中ですのでぜひご一読ください。

<受賞薬局インタビュー>
【最優秀賞】まごころ薬局 インタビュー
【審査員特別賞】エール薬局鴨居店 インタビュー
【オーディエンス賞】薬局・なくすりーな インタビュー

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撮影/政川慎治 取材・文/市原淳子

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