薬剤師の接遇マナー・テクニック 更新日:2023.03.23公開日:2016.02.03 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
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患者さんの話へのあいづち
患者さんの話へのあいづち

先日、薬剤師ではない友人と話しているときに「薬剤師さんの態度って重要だよね」と言われました。友人が通っている薬局の薬剤師さんは、彼が話をしている間中「うんうん、うん」と何度もうなずくため、あまりきちんと話を聞いてくれたという感じがしないそうです。患者さんへのあいづちとは、どのような点に気をつければいいのでしょうか。

Answer
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あいづち以前に、まずは話をしっかり聞くこと

「他人のふり見て我がふり直せ」。他の人が指摘されているのを聞いて、自身の対応について振り返る姿勢は非常に素晴らしいと思います。件の薬剤師の「うんうん、うん」というのはおそらく癖で、当人にしてみればこまめなあいづちで「聞いている姿勢」を示しているつもりなのかもしれません。癖というのは自分自身ではなかなか気づきにくいものなので、身近にいる誰かが指摘してくれるといいなと思います。
 
今回の質問はどのようなあいづちが望ましいかということですが、少なくとも「うんうん」というのは、目上の人やお客さまに対しては使うべきではありません。常連の患者さんでよほど打ち解けている場合などはケースバイケースですが、他の患者さんの目もありますので基本的には使わないことが望ましいでしょう。
また、「うんうん」など同じ言葉を繰り返すあいづちを打っているときは、あまり集中して話を聞いていないのではないでしょうか。「次はあれをやらなきゃ」「もうこんな時間だ」など他のことを考えながら話を聞いていると、適当なあいづちになりがちです。
私自身の経験からしても、あいづちを適当に打っているときは聞き洩らしがあったりしてミスを犯しがちです。ですから、まずはしっかりと話を聞くことが大切。目の前の相手に意識を集中して、目を見ながら話を聞いていれば、自然と素敵なあいづちが打てるものです。

相手に合わせて言葉を変え、リアクションもプラスする

上手なあいづちのコツは、「はい」「そうですね」「それは大変でしたね」など、相手の話題に合わせて言葉を変えることです。話の流れを途切らせることなく、先を促すあいづちを上手に挟んでいきます。さらに表情などでリアクションもプラスできれば、患者さんも話してよかったと感じるでしょう。
ちなみに、気をつけたいのが「なるほど」というあいづち。意外に使ってしまいがちなのですが、「なるほど」というのは本来、相手が対等の立場かそれ以下の人に向かって言う言葉です。患者さんや目上の人に使うことは控えましょう。
 
あいづち上手になるにはコツと慣れが必要です。もし、同じ職場にあいづち上手な人がいる場合は、その人の様子を観察して真似することから始めてみてください。話しているときに相手が絶妙なあいづちを入れてくれると、話している側も気持ちがいいもの。「この薬剤師さんと話すのは楽しい」と感じてもらえれば大成功です。ぜひあいづち上手になって、患者さんがなんでも相談したくなる薬剤師を目指してください。
あいづち上手は接遇上手。あいづちの技術を磨いて「話したくなる薬剤師」を目指しましょう!
あいづち上手は接遇上手。あいづちの技術を磨いて「話したくなる薬剤師」を目指しましょう!

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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