緊急避妊薬の試験販売開始~28日から、全国145薬局で 日本薬剤師会
想定価格は最大9000円に
日本薬剤師会は、全国145薬局で緊急避妊薬のOTC化に向けた試験的運用を28日から開始する。研究参加に同意した16歳以上の女性が対象で、想定価格は7000~9000円を見込んでいる。購入希望者は事前に販売可能な薬局に電話連絡し、店舗の在庫確認やプライバシー確保が可能な時間を予め調整した上で購入する流れとなる。事業は調査研究としての位置づけで、来年1月末までに収集された購入者のアンケートや薬局での販売状況を研究班が解析し、今年度内に薬局での適正販売の確保や、購入者への情報提供についてチェックリストやリーフレットなどの代替手段でも問題ないかを明らかにする。
厚生労働省からの委託を受けた事業では、試験的販売可能な薬局として全国145薬局が選ばれ、オンライン診療に基づく緊急避妊薬の調剤の研修を修了した337人の薬剤師が対応することになる。各都道府県で2~3薬局を1モデルとし、人口の多い東京都、神奈川県、大阪府は2モデルずつの計50モデルで検証する。実施については17日に日薬から各都道府県に通知した。
販売薬局は、▽夜間・土日祝日の対応が可能▽プライバシー確保が可能な販売施設を有する▽近隣の産婦人科医、ワンストップ支援センターとの連携体制を構築可能――を満たしていることが要件。16歳以上の未成年者は親権者の同意も必要で、16歳未満は調査研究の対象とはしない。薬局に購入希望や相談があった場合は、産婦人科医の紹介などで対応する。
国民への情報提供を目的としたホームページも同日10時に開設する。調査研究の説明、利用者への留意事項、参加薬局の一覧、服薬薬剤に関する情報などを掲載する。在庫不足など電話を受けた薬局で対応できない場合はモデル内の薬局間で連携し、対応することを想定している。
これらにより、緊急避妊薬のOTC化に向けたデータや情報を集める。事業の実務責任者を務める長津雅則常務理事は、「一部薬局で販売が解禁されるのではなく、あくまでも販売を適切に行うための仕組みを検討するための調査研究」と強調。
「販売対象者は調査対象者でもある。販売時に行う(16歳以上18歳未満への)親権同意は売買にかかるものではなく、あくまで研究参加への同意取得のため」と理解を求めた。
その上で、調査研究について「購入希望者や薬剤師の情報を詳細に集めることになる。どうしたら安全かつ有効に販売できるのかを検討するためのデータは十分に揃うのではないかと思う」と期待感を示した。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
緊急避妊薬のOTC化に向けた試験的運用が、11月28日より全国145薬局でスタートします。研究参加に同意した16歳以上の女性が対象で、想定価格は7000~9000円を見込んでおり、オンライン診療に基づく緊急避妊薬調剤の研修を修了した337人の薬剤師が対応することになります。