薬剤師会

【調査】薬局の3割が「調剤に支障」 ~ ナフサ不足で軟膏容器逼迫 千葉県薬剤師会

薬+読 編集部からのコメント

千葉県薬剤師会の調査によりますと、中東情勢に伴うナフサ不足の影響で分包紙や軟膏容器の供給が逼迫し、調剤に支障が出ている薬局が約3割にも上ることが明らかになりました。現場では使用済み容器の再利用も広がり、医療安全への影響が懸念されています。

中東情勢に伴うナフサ不足の影響で分包紙や軟膏容器の供給が逼迫し、調剤に支障が出ている薬局が約3割に上ることが、千葉県薬剤師会の調査で分かった。現場では使用済み容器の再利用も広がり、医療安全への影響が懸念されている。製造事業者の生産量は前年並みで維持されている一方、医療機関・薬局による急激な発注増が需給の逼迫を招いていると見られ、眞鍋知史会長は「流通経路のどこで目詰まりを起こしているかを調査・解明してもらいたい。その上で供給改善に向けた見通しを示してほしい」と訴える。

 

ナフサ不足による調剤への影響は深刻化している。分包紙は調剤機器メーカーでも発注急増による限定出荷が続き、軟膏容器も限定出荷、供給中止となっている。こうした中、千葉県薬は千葉県病院薬剤師会の協力を得て調査を実施した。5月20~26日にかけて電子メールを通じて薬局553件、病院3件の計556件の回答を得た。

 

分包紙や軟膏容器のプラスチック製品が「不足している」と回答したのは434件と、7割以上の薬局が不足感を認識していた。不足している製品は「軟膏ツボ」が80%、「分包紙(プラスチック製品)」が79%と圧倒的に多く、「水剤容器」が37.3%、「チャック付きポリ袋」11.8%が続いた。

 

入荷予定を聞いたところ、「入荷未定」が63.6%、「1カ月以上入荷予定なし」が23.3%と見通しが立っていない状況にあることが判明。「1カ月未満に入荷予定」は7.8%にとどまった。

 

調剤への影響については「支障を来していない」はわずか3%で、「発注しても納入できないが、在庫があるので調剤に支障を来していない」が60%、「既に在庫がない製品があり、調剤に支障を来すことがある」が29%、「不足でほとんど調剤できない」が1%だった。

 

自由記述では「軟膏ツボ不足のため再利用せざるを得ず、衛生面が不安」「分包紙不足で散剤の調剤を断らざるを得ない」といった声が寄せられた。さらに、「容器を渡せないため患者に重ね塗りを指導している」「分包紙を無駄にしないよう使用方法を工夫している」など、現場対応の苦慮も明らかとなった。

 

眞鍋氏は「医薬品不足の経験はあるが、資材不足は初めて」と話す。特に影響が大きいのは、軟膏処方を扱う皮膚科の患者の調剤件数が多い薬局、一包化や散剤の取り扱いが多い高齢者・乳幼児対応薬局で、「患者から調剤継続への不安の声も出ている」と訴える。

 

この問題は、生産が維持される中、需要増により流通段階で目詰まりが生じている可能性がある。眞鍋氏は「川上から川下までの流れを検証し、目詰まりの解消につなげてほしい」と求めている。

 

5月27日に開かれた日本薬剤師会の都道府県会長協議会でも眞鍋氏から問題提起が行われ、岩月進会長は厚生労働省のG-MIS(医療機関等情報支援システム)を通じた情報提供を呼びかけた。厚労省も同29日付の事務連絡で、軟膏容器や分包紙などについて当面の必要量に見合った発注を求め、過剰発注の抑制を都道府県に周知している。

 

もっとも、現場では供給回復の見通しは立っておらず、資材不足が調剤体制や医療安全に及ぼす影響が懸念されている。千葉県薬は調査データを解析し、県や日薬に提出する方針だ。

 

 

 

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出典:薬事日報

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