薬剤師会

【北海道薬剤師会が報告】来局者に認知機能低下疑い ~ 実証研究で高齢者の6割

薬+読 編集部からのコメント

厚労省研究班による「認知症の早期発見・早期介入実証プロジェクト(J-DEPP研究)」の一環として、北海道薬剤師会が実施した認知機能スクリーニング検査によりますと、来局した65歳以上の受検者の約6割に同年代に比べ認知機能低下の疑いがあることが分かりました。

北海道薬剤師会が厚生労働省研究班による「認知症の早期発見・早期介入実証プロジェクト(J-DEPP研究)」の一環として実施した認知機能スクリーニング検査で、来局した65歳以上の受検者の約6割に同年代に比べ認知機能低下の疑いがあることが分かった。全体の2割強は医療機関への受診が推奨される認知機能低下が示されており、薬局利用者の中に潜在的な認知機能低下層が一定数存在する実態が浮き彫りとなった。薬局を起点とした認知症の早期発見・早期介入の重要性が改めて示された格好だ。
 
同研究は、日本独自の認知症早期発見モデルの構築を目指す全国規模の実証研究。今回、薬剤師会としては全国で初めて道薬が参画した。
 
同研究の枠組みは、薬局来局者がスマートフォン等でQRコードを読み取り、国立長寿医療研究センターが開発した簡易検査を受けることで認知機能のリスクを把握し、必要に応じて医療機関受診につなげるもの。北海道では昨年度の札幌市、江別市での受検実績を踏まえ、今年度は薬局を拠点とした事業周知と受検促進を全道的に展開した。
 
道内171薬局が参加し、昨年12月から今年3月にかけて実施。総受検者171人の内訳は、認知機能が「維持」105人(61.4%)、「やや低下」43人(25.1%)、「低下」23人(13.5%)だった。
 
一方、65歳以上の83人では、「維持」32人(38.6%)に対し、「やや低下」31人(37.3%)、「低下」20人(24.1%)と、軽度を含め認知機能低下が疑われる割合が約6割に達した。医療機関受診率は現在解析中としている。
 
道薬の徳永尭理事は「65歳以上の約4分の1が受診推奨対象で、『やや低下』を含めると約6割に達したことは重要な結果」と指摘。「薬局利用者の中に潜在的な認知機能低下層が一定数存在することを再認識した。薬局が地域における早期発見・早期介入の拠点として機能することが求められる」と強調し、地域における認知症対策で薬局が果たす役割に期待感を示す。
 
一方で、現場負担の大きさが課題として浮上した。検査には1人当たり20~25分を要し、来局者対応に充てる時間の長さや業務の煩雑さが指摘された。薬剤師が検査を勧奨し、操作支援や結果説明、受診勧奨まで担う必要があり、「本業が多忙で対応が難しい」との声も上がった。
 
また、薬局側から地域住民に認知機能検査を提案することに対しては、「認知症を疑われていると受け取られる」「自尊心を傷つける」など心理的抵抗が生じる事例も少なくなかった。
 
徳永氏は「患者さんとの信頼関係の構築や多様な媒体での周知、行政・多職種との連携により改善の余地はある」との認識を示す。
 
実際、薬局薬剤師として事業に参加した経験から「検査を勧奨すると興味を持ってもらえる人が多かった一方、結果に不安を感じる方も一定数いた」と振り返る。「ハンドブックを用いて認知機能の維持・回復の可能性を説明すると安心する人もいた」とも述べ、丁寧な説明を通じた信頼獲得の重要性を指摘した。

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出典:薬事日報

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