インタビュー 公開日:2025.05.16 インタビュー

 

薬剤師・薬局の仕事は、一般の利用者の立場からは分かりにくい部分も多いかもしれません。薬剤師・薬局に関する素朴な疑問について、薬剤師さんに詳しく解説してもらいました!

 

薬剤師が着る白衣って自分で買ってるの?

 

たいていは勤務先から指定ユニフォームを数枚貸与されていて、退職時に返却します

ひょっとすると、私は白衣に憧れて薬剤師になったクチかもしれません。白衣に身を包み、患者さんに優しく接している薬剤師。実際には忙しいことが多く、理想通りにはできずに悩むことも多いのですが……。

 

薬剤師の着ている白衣(ユニフォーム)は、たいていの場合は勤務先から貸与されています。そのため、退職するときには返却する必要があります。

 

私が勤務していたところは、どこも職場指定のものがあり、洗濯する際の替え用も含めて全部で3~4枚(長袖・半袖別)が貸与されていました。数年に一度回収され、あらためて新品が貸与されるという仕組みでした。他の病院の情報と比較してみましたが、どこもおおむね同じようなシステムだと思われます。

 

参考:貸与白衣等の枚数(職種別)|仙台市立病院

 

最後に勤務していた病院では、新しい白衣に交換するタイミングで、次回着用するものを選ぶ「白衣選定委員会」ができ、みんなで試着したり、希望投票したりして選んでいました

 

候補の白衣は専用のカタログから、医師、薬剤師、看護師、各助手などの職種ごとに選びます。そこには本当にたくさんの素敵な白衣が載っていて、「一度着てみたい」と思うものが多かったです。色はさまざま、デザインもさまざまで、セーラー服を連想させるようなものもありました。「下着が透けないのがいい」という女性ならではの希望も出て、デザインだけでなく、素材へのこだわりもありましたよ。好きな白衣で仕事をすると、やる気も出てきますものね。

 

職員がいいと言っても、上層部からOKが出ずに別のものになることもありました。NGの理由は「病院全体としての統一感がない」というものだったと記憶しています。各職種、バラバラに好みのものを選んでしまった結果です。

 

「マイ白衣」の着用を認めているところは、私が勤務していた中では1カ所だけでしたが、そこでもほとんどの職員は貸与された白衣を着ていました。その中で、一人の看護師さんがシンプルだけど素敵な白い刺繍の入っている白衣を着ていて、少しうらやましかったのを覚えています。

 

薬剤師の白衣との付き合いは、学生時代に始まります。いわゆる実験(実習)で着用するのですが、私は同級生と同じように生協で販売されているものを購入。かなり昔の話ですが、1,000円台だったと思います。やはり洗濯のために3枚くらいは持っていました。卒業後、しばらくは家に保管していましたが、やがて「古いし、着る機会がない」と処分しました。

 

白衣の値段は、本当にピンからキリまであります。今だと安いもので2,000円台、高いものだと数万円。結局、社会人になってからは、自分で白衣を購入することはありませんでした。この先も購入することはないと思います。

 

白衣を着ると気持ちが引き締まるのは、私だけではないでしょう。患者さんからの信頼にもつながるので、単なるユニフォームではなく「責任感の象徴」と言えるかもしれませんね。

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執筆/藤野紗衣(ふじの さえ)

東北大学薬学部卒業後、ドラッグストアや精神科病院、一般病院に勤務。現在はライターとして医療系編集プロダクション・ナレッジリングのメンバー。専門知識を一般の方に分かりやすく伝える、薬剤師をはじめ働く人を支えることを念頭に、医療関連のコラムや解説記事、取材記事の制作に携わっている。
ウェブサイト:https://www.knowledge-ring.jp/